とうとう読み終えてしまった。そんな感想が真っ先に浮かぶ、楽しい作品でした。
物語のあらすじは本編の解説を読んでいただくとして……
特筆すべきはやっぱりキャラクターです。もう時代遅れのような、絶滅寸前のような、着流し姿の、売れない作家・只野先生。
ヒロインをつとめるのは、どうにも要領が悪く、しかもついていない、振り回されるのが運命のような、まひるちゃん。
この二人が妙なことで出会い、事件に巻き込まれ、絆を深めていく様子が、コメディーたっぷりに語られていきます。
ホントにいろいろ起こるのですが、とにかくこの二人のかわす会話、そして雰囲気、気持ちがくっついたり離れたりがとにかく楽しい。
さらにテンポのいいふわりとした文章、そして気になる引きで、とにかく最後までパワフルに読ませます(笑)
刺激的なプロローグから始まるのは、まさに波乱万丈のストーリー展開、なにかとチグハグな二人にハラハラしつつも、妙に頼りがいのある只野先生の姿に頼もしさを覚えたりして……と、いろいろと書きたいことはまだあるのですが、これはもう読んだ方が手っ取り早いです。
そして読み始めたらあっという間に引きずり込まれます。
書籍化ということで本の宣伝をしたいところでもありますが、まずはこちらを読んでみてください。
きっといいウォーミングアップ、いえいえ『刺激的なプロローグ』となるはずです!
サスペンス的な要素も盛り込まれた、女性向け恋愛小説です。
全二七一話というと、一瞬たじろいでしまう方も居られるかと思いますが、合計文字数的には普通の長編小説一本分ぐらいで、一話毎の分量も短いためサクサク読み進められます。
全体的なストーリー構成は非常に綺麗にまとまっていて、的確にコメディとシリアスが配分されたエンターテイメント小説だと感じました。
とはいえ、この作品の最大の見所は、何と言っても主要キャラ・只野直人の魅力に尽きるでしょう!
ちっとも売れない作家なのに、自尊心と自意識だけは往年の文豪も凌ぐほどじゃないかと思わせる彼の魅力(というか痛々しい言動)は、ストーリーの序盤からまさにアクセル全開。
初対面の相手にさえ臆面もなく「作家の只野だ。問題ない」と言い放つ胆力は、衝撃的としか言えません。
誰も職業まで訊いてねぇよ!と、思わず読んでて心の中でツッコミ入れたくなってしまいます。
只野は、自作小説に刺激的なプロローグを書かねばなるまいと悩むわけですが、実は本人のパーソナリティ自体が他人から見れば一番刺激的だという……。
とにかく、この只野の強烈なキャラクター性は爆笑必至。
ああ、まさにこれぞラブコメ小説。
極上のキャラノベルをお探しの方は是非ご一読を!
恋愛偏差値の高くないふたりの微笑ましすぎるラブストーリーです。
不器用だけれど、出会ったときからお互いがお互いを支えていたふたりです。本人たちは気づいていませんが。そう、タイトルどおりふたりのプロローグは刺激的。
個性的なサブキャラクターの起こす事件に巻き込まれながら、ふたりのラブストーリーは刺激的に展開していきます。
さすが恋愛小説コンテスト読者選考通過作品です。選考期間内に出逢えなかったことを後悔しています。
とても読みやすい物語です。次はどうなるの? 次は? と気になってしかたありません。ラブコメの王道。画面に向かって突っ込んだり、くすっと笑みを漏らしてみたり、そんな楽しいラブストーリーをぜひあなたにも。