幼馴染の高校生達の恋愛物語です。女性主人公の一人称視点がメインです。
この幼馴染という設定がすべての原因ですが、それを彼等はどう受け入れ歩んでいくのか。そのキーワードを中心に物事が進行していくのですが、様々な展開が用意されていて読み手の心を鷲掴みにするでしょう。
主要人物は四人で物語のテンポや関係は読みやすく、気付くと読み耽てしまいます。一人一人の心理描写や行動が個性的に描かれており、絶妙なバランスの人間関係。みんな他人思いで優しいので読んでいて癒されます。そしてハラハラとこのキャラクター達を見守るように楽しめました。ある時は目尻を熱くさせ、ある時は行き場のない感情を抱かせる事もあるでしょう。それほど物語に入り込む事が出来る作品でした。
とても重要な場面は夜空に星が映り、作者様の美しい文章が情景を色鮮やかに描かれます。
この恋愛はただの恋愛ではない。彼等彼女等の葛藤の上に出来上がったラブストーリー。すべてのキーワードは「幼馴染」
どうぞ、ご覧あれ。
一番親しい間柄なのに、遠い。大切な存在だからこそ、一歩近づくのが怖い。愛しいほどに純粋な主人公の想いが、高校生の日常生活とともに、溢れんばかりに描かれていきます。
目に映るものをそのまま文字にしていったかようなキャラクター同士の自然な絡みと、細やかに表現される主人公の心理描写は、読む者を深く引き込んでいきます。出来事のひとつひとつが、徐々に四人の関係を微妙に変えていきますが、「悪者」は誰もいないのに、四人がそれぞれに悲しい想いを抱えていく展開は、まさに、爽やかな青春の中にしか存在し得ない、本当に切ない恋模様。エピソードをひとつ拝読するたびに、ため息が出てしまいます。特に駿汰くん…(涙)
読後、ピュアな恋物語を「疑似体験」させていただいたような気持ちになりました。
高校二年生、青春まっただ中の男女がそれぞれの想いを胸に秘め、もどかしくもつかず離れずを繰り返しながら送る日々。
主人公の晶は忌み嫌う言葉があった。それがこの物語のキーワード……
ああ、なぜそこで言えないの! と、何度もこぶしを握りしめヤキモキしながら、いつの間にか今作の世界にどっぷりと浸かっておりました。それくらい巧妙に構成された物語で、作者の技量に脱帽です。
青春ラブ・ストーリーは、こうでなくっちゃ駄目です。読み手が気づかないうちに感情移入し、登場人物と一体化となってストーリーに参加している。これって言うほど簡単ではないですよ。今作ではその疑似体験が間違いなくできると思います。特に主人公の晶ちゃん。かなりしんどい思いをします。もう勘弁してあげて、と言いたくなるほど辛い経験をします。だからこそラストシーンが活きてくるわけです。
個人的には駿汰くんに、ずっとエールを送っておりました。だって、彼は漢(おとこ)なんですもの。こんなにいい漢に、何故誰もなびかない。と、手にしたハンカチを歯で噛みしめておりました。
この関係を終わらせる……果たしてこの言葉の意味は、いったいなんでしょう。このタイトルも深い意味があったのですね。
青春ラブ・ストーリー、今作は絶対にお奨めです!
高校生の青春恋愛小説です。
幼馴染の二人を中心に据え、そこに同級生を加えた三角関係や気持ちのすれ違いを描いた作品でした。
お話全体に漂う雰囲気は、単純にシリアスというより、繊細な心象描写のおかげで、せつなく胸に迫るものがあるように思います。
これぞ女性向け!というような、登場キャラの少女漫画的な純情と、それゆえの悶々とさせられる展開が見所ですね(笑)。
お互い気の合いそうな相手ほど、案外なかなか意思の疎通が得られず、なぜか意識していなかった相手からほど好かれてしまう……
というような部分に、そこはかとないリアリティを感じてしまいます。
これは男性には書けない話なんだと思いました。
好きな気持ちと表裏一体の嫉妬心。そこから立ち上る自分という存在の嫌な面に苦しめられる。それはなんともみっともなくて、じたばたとしていて、なんとなく自棄になりそうで、という微妙な心理を巧みに描き切っていると思います。
これは登場人物すべてにいえることで、みんながもがきながら幸せになりたいと願っているように感じられました。そういう意味でこれは普通の恋愛小説というよりも、どこか文学的なテーマを感じさせるものだったと思います。
が、話は面白く、読みやすいので、気軽に読めました。
読後感もとても素晴らしいものでした。
9/7 レビュー
出てくる子達みんながええ子(ヒロイン、若干好き嫌い分かれそうだけど、青春真っ盛りだしね)やね。
その中で三角関係、四角関係を作っていくが……
幼なじみという近い異性って、一歩踏み出せば一番楽なんだろうけど、その一歩を一度でもためらうとどうしようもなく面倒くさい迷宮に入り込んでしまう。そこら辺が、読んでいると手じゃ触れられない場所が痛痒くなるほど表現されていました。
駿汰もいっそ突っ走っちゃえば楽になるんだろうけど、それが出来ない性格。ヘタレと思えるほど良いヤツ過ぎる……
現時点で更新されている14話まで読みました。
面白かったです。
今後どのように展開していくのか……
楽しみに追わせて頂きます!
秘める恋心を抱く幼馴染みに、彼女ができた。しかも彼女さんは可愛くて良い子で――
この時点でもう胸が苦しくなるのですが、さらに「フツメン」だけど良い奴な男友達からの告白を受けちゃったりして、なんというかもう、切なくて仕方ないです。
もう、駿汰にしちゃえよ!とかいや、やっぱり実樹とくっつけ!とか、もうなんか始終きゅんきゅんしております……
13話の「幼馴染みじゃなければ良かった」という言葉から、今後どのような展開を見せるか楽しみでなりません。作者様を応援しております♪(話が進み次第★も増やしておきますね~)
9/14
読了致しました。完結おめでとうございます!!素敵な物語をありがとうございますm(_ _)m