大人と子供の間の揺れ動くティーンズのピュアな恋物語

一番親しい間柄なのに、遠い。大切な存在だからこそ、一歩近づくのが怖い。愛しいほどに純粋な主人公の想いが、高校生の日常生活とともに、溢れんばかりに描かれていきます。

目に映るものをそのまま文字にしていったかようなキャラクター同士の自然な絡みと、細やかに表現される主人公の心理描写は、読む者を深く引き込んでいきます。出来事のひとつひとつが、徐々に四人の関係を微妙に変えていきますが、「悪者」は誰もいないのに、四人がそれぞれに悲しい想いを抱えていく展開は、まさに、爽やかな青春の中にしか存在し得ない、本当に切ない恋模様。エピソードをひとつ拝読するたびに、ため息が出てしまいます。特に駿汰くん…(涙)

読後、ピュアな恋物語を「疑似体験」させていただいたような気持ちになりました。

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