概要
色を失った世界で、少年は滅びに立ち向かう
「風化」と呼ばれる世界の異変と、それに立ち向かう若者のお話。木々や、建物や、記録、時として人の記憶すらも一瞬にしてかき消してしまう「風化」。人類は、機巧(カラクリ)と呼ばれる技術の発達により、風化に適応していた。ただ、風化により色を失った世界は、灰色ただ一色の濃淡で彩られた単調な空間と成り果てていた。それすらも「当たり前のこと」として受け入れ、適応してしまっていた人々。その中で、一人の若者が立ち上がる。再び世界に色彩を取り戻すために――。ある時、一人の少年と一匹の獣との出会いが、若者の運命を変える。