2070年のコンピューターおばあちゃん

作者 枕目

512

204人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

まさにタイトル通り、コンピュータになってしまったサイバーなおばあちゃんの日常。ただし、残念ながら似たようなタイトルの曲とは違い、あくまで現実に即した形ですので……。

実際にありそうでなさそうで、でも十分あり得そうな、そんな愉快で怪奇な作品です。

★★★ Excellent!!!

 最初の一行から「ウワーッ!」てなりました。だっていきなりおばあちゃんの仏壇から内蔵だもん。腹抱えて笑いましたよ。

 最初は「ハイセンス系ギャグなのか?」と思っていたけれど、読んでいくうちにシリアスになっていく。
 読み終えたころには、未来の科学技術について非常に考えさせられていました。序盤からは想像できないほど、重厚なお話です。

 著者の知識量や文章力にも圧倒されました。
 この作品はスゴイ。読まないと損ですよ!
 

★★★ Excellent!!!

星新一作品のような切り口に、現代の科学技術を取り入れ、王道かつ斬新な作品でした。
ジャンルがジャンルだけに諸々の矛盾点が浮かび上がれど、それを打ち消すほどの幅広い知識量と世界観に即した表現力が、作品全体の完成度を底上げしてます。
ラスト、もう一捻りあれば個人的に満点でした。作品中に垣間見える作者の意図・考察力に鑑みて、それだけの技量をお持ちだと思われます。
次作に期待です。

★★ Very Good!!

 危機管理では『最悪の事態に備えよ』という言葉がありますが、この作品の描く未来がまさにそれです。生理的・感情的に耐え難い状況を生み出し、あるいは現実的で重大な危険をもたらす、技術の悪用・誤用や副作用……。しかしそれでも、この世界の多くの人々がその技術を望み、そして望みをつなぎ続けているのでしょう。虚弱な初老(苦笑)の私も、将来の我が身の問題のように作品を読みつつ、どうしたらこのような弊害を回避できるのか?と一生懸命考えている自分に気づきました。

 現在の工業・情報技術でも、あふれるモノが捨てられないとか、リアルとバーチャルが区別できないとか、それに近い問題は起きています(反省)。人的資源の劣化を防ぎ、補うための現実の技術や、それに対する評価・政策が、今後どのようなものになっていくかは分かりませんが、こうして少しでも多くの人々が、良くも悪くも色々な可能性について考え、話し合っていくことが、文明の持続的発展の可能性を高めていくのではないかと思います。

★★★ Excellent!!!

タイトルから興味を引かれて拝読させて頂きました。えー、凄い。とにかくその一言に尽きますね。

まず発想が凄い。確かに高齢者の介護は今人手不足などなど問題になっており、ロボット技術への期待が高まっておりますが。こうはなって欲しくないなーと切実に思いました。

あと、文章力が凄まじい。出だしからとてもグロいですが、読者を惹きつける逸脱した展開。短編ですが、なんか凄く満足感を感じました。

この読後感、グロテスクな表現が大丈夫な方にぜひおススメです。

★★ Very Good!!

人間とは何か。本質的な意味で考えている人間は少ないように思う。猿が猿であることに疑念を持たないように、我々もまた人間であることに疑念を持とうしない。
しかし、我々が猿ではないと自称するからには、思考を駆使して猿でないことを証明する義務がある。
人間とは何か。
読者が、この作品を読み、人間の境界を検討することを期待したい。

★★★ Excellent!!!

おばあちゃんの嫌な感じの造形(物理的な)がとてもいいです。それは新奇なものではないかもしれませんが、そういうイメージを切り取ってきて再構成した、センスと文章的な表現力が素晴らしいと思いました。
おばあちゃんの内蔵を仏壇に納めているところから話を始める構成もいいですね。機械の体になっても残る肉体への未練、またそれが反転しての生きているものへの憎悪。ストーリーが流れるように進みます。
随所に現れる魅力的な科学用語も効いていました。いくぶん煙に巻かれているような気もしますが、それ以上に想像力を刺激されます。その意味で、この作品は旧くて良い香りのするSFだと思いました。
作中の「XXX症候群」は作者のオリジナルでしょうか。初めて聞きました。とても秀逸なネーミングであり、それを老人問題と絡めて語るという手法も見事だと思いました。
ブラックな風刺劇。でもそれはあり得るかもしれない未来の一つ何ですよね。

★★★ Excellent!!!

高齢介護は何れ人の手から離れて機械へ移行するかもしれない。現実世界でも密やかに囁かれている話ですが、この小説のようになったらそれこそ社会問題化は待った無しですね(笑)
しかし、機械に頼っても所詮人は人。記憶があり、感情があり、それ故に思い出やその時の出来事がふと漏れ出す瞬間は哀しいとしか言い様がありません。
暴走を止めたのは彼女の為か、はたまた自分の為か……。答えを見付けようとすると、意外にも奥深い闇が潜んでいるだなと思い知らされました。

★★★ Excellent!!!

昔ブログで公開していたのを読んだことがあるのですが、その時から「こりゃすげぇや」と思って参考にしていた作品が、なんと!再公開だと!ということで、興奮しつつレビューを書きます。

なんといっても冒頭からのスピード感。グイグイ読める。完全に趣味フルスロットルで書きたいものをとことん書く。このスタイルがいいですよね。人間、自分の書きたいものを書くのが一番なんです。一番好きなのはティラノサウルスに脳が2つあるというネタ、「このネタが伝わる奴限られるだろ」とひとしきり笑った後、「ああ、でもこういう表現でも伝わる人に伝わればいいんだ」と妙に納得して、それからずっと参考にしています。ネタが解らない人も大丈夫。普通にウンチクとして受け取れるようにもなっていますから。

スラップスティックなノリで散々好き勝手やっておきながら、嘘みたいに切ないラスト。理想的です。

★★★ Excellent!!!

未来のご老人が生きる日常が孫の目線という形で、感情的に突き放したような筆致で描かれます。

他に類を見ない大胆な展開には驚かされるばかり。これは素晴らしいタイトル&あらすじ(?)詐欺。最初から最後までショッキングです。

ツイッターで何人かの方からおすすめされていたので見ましたけれど、確かにこれは驚くべき作品ですね。この手のリンクから飛んでみたものの中で最高の衝撃を受けました。

文字通りの「コンピューターおばあちゃん」である老婆とその家族が行き着く先は――

最初の文言などで人を選ぶ類のお話かもしれませんが、最後まで読み進める価値があると思います。