花の命は甚だ短し、散らずに進め恋セヨ乙女!

 本当はもう少しお話が進んでからレビューしようと思っていたのですが、大好きすぎて「とにかく皆に読んで欲しい!」とどうにも耐えきれなくなり、愛を叫びに来ました。

 大正浪漫、和風ファンタジー、着物に袴……。
 そういった単語でぴくりと反応した方は、まず間違いなくこの作品を読んだ方がいいです。でないと後悔します。
 舞台を彩る小道具は細部まで描かれ、文章の端々から滲み出る作り込まれた世界観は否応なしに読者を大正浪漫の物語の中へ誘います。

 展開されていくのは、魔物と人間ーー軍人とかんなぎによる戦い……ですが、そちらは元より見逃せないのが彼らの生き様と人間関係。
 戦いの中で運命的に出会った史琉、新人兵の颯太、呉服屋の真希といった魅力的なキャラクターたちが、とにかくこの世界の中で生き生きと暮らしているのがたまらなく愛しい。
 主人公・倖奈との関係性が今後どうなっていくか、楽しみでたまりません。いいなあ。


 乙女はか弱くて、けれどもとても強いもの。夢も、恋も、きっと諦めない……!
 そんな倖奈の健気な奮闘ぶりに、気付けば貴方も虜になり、続きが待ち遠しくて仕方なくなっているはず。

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