変千化万の面白さ!

物議を醸した小学校の掛け算の順序問題をテーマに繰り広げられる本作は、落語の体裁を拝借し笑いへと昇華させつつ筆者の主張がしっかりとなされる。父親と先生による次第にエスカレートする掛け合いの下りはいくつものくすぐりを交えつつ、読み手にこの問題の馬鹿馬鹿しさを鮮やかに見せつけてくれる。まあしかし、ある意味では笑えない短編とも言える。酢豆腐と掛け算の順序問題は一口にかぎるということで。ちきてんちきてん。

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