概要
卒業式の夜に行われた少年少女の遠足の謎を追う。少し儚い青春ミステリ
大学進学してから20年ぶりに地元である京都に戻ってきた高橋誠。高校生のころに通った坂・老ノ坂を歩いていると、幼馴染だった佐藤愛と遭遇する。桜の咲き誇る老ノ坂で、二人は卒業式の夜に行われたイベントで発生した事件を振り返り、その真相を推理していく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!美しい文章で綴られるライト・ミステリー
……なんと表現すればいいのか。
この胸が締め付けられるような読後感は、ちょっと僕の陳腐な言葉では表せない。
物語は、主人公が久しぶりに会った同級生と、昔見た「幽霊」の正体を回想を交えながら推理していく、というものです。
ミステリ的な仕掛けに騙されることは残念ながらなかったのですが、最後まで読み終えた後、もうそんなことはどうでもよくなっている自分がいました。(笑)
描写が巧く、京都の風景が目に浮かぶようでした。淡々とした文章でありながら、終盤の主人公の言葉一つ一つが、心に響きます。
ミステリーが好きな人もそうじゃない人も、読んでない人はぜひ読んでください。
きっと、胸が締め付けられますよ。