過ぎ去ったあの日を振り返り、そして今の自分を省みる。主人公の心情に深い共感を覚えます。切なさ、儚さを胸に淡々と今を生きる。ある程度年をとった読者の方が胸に来るかもしれません。ただ、ミステリーとしては謎も、その解も精密さに欠けまた、驚きもそれほど無いように思います。
私は、ミステリーは普段あまり読まないのですが、この作品は文句無しに良作だと思います。20年前の卒業式に起きた奇妙な事件、それを巡る謎と青春の爽やかな雰囲気が、美しく、そして、懐かしげに表現されてい…続きを読む
面白かったです。短編でここまで面白くできるとは、スゴい。主人公と私は同い年です。彼の感情にも共感を持てました。
犯人やトリックの謎解きは容易だが、そんなことより全体の構成が素晴らしい。最後まで一気に読ませる文体には目を瞠るものがある。ただ、段落の始め、改行の一字下げが行われていない箇所があるのが少し気にな…続きを読む
切なすぎる叙情的な文章が涙せずに居られない、非常に技術力の高い小説です。卒業式の夜にみんなで行なった、遠足という名の肝試し。そこで遭遇した生首の怪異を、論理的に解き明かすのですが、これがまた甘…続きを読む
もっと見る