ゆらぎながら、日々実感を持って生きる

 世の中の鬱の本や、ものの病気になるお話は、わかりやすい「大きなイベント」をキーとして書かれている。それは、読者にとっての読みやすさだったり、惹き付けだったり、わかりやすくするためだったりが大きいのだと思う。
 しかし、書かれなかった日に何もないわけじゃない。物語のようにシーンをすっ飛ばして次のイベントが起きるのではなく、毎日を生きている。寝て起きて(あるいは寝られず夜を明かし)、目に映るものに心を揺らしながら、感じながら、生きている。

 世間で言う読み手のことを考えた分かりやすいイベントをメインに置かず、感じてることを書いている本作に、レビューで分かりやすいアピールポイントを示す個所は分からない。

 けれど、私はこの記録に価値があると感じているし、更新される限り、読み続けたい。

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