小笠原先輩は余命半年

作者 浅原ナオト

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★★★ Excellent!!!

本当は誰もが明日をも知れぬ命。でも今日を精一杯生きてるか。そう問われるとちょっと考えてしまいます。
余命半年。それまでにやりたいこと。自分だったら、何がしたいかな。

とにかく話のキレが素晴らしいです。短い中でもキャラが立っているし、ストーリー展開が卓越しています。
是非読んで頂きたい秀作です。唸りました。

★★★ Excellent!!!

「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」が面白かったので(これを読んでない人は必読!)同じ作者さんの短編を読了。

良いですねー。余命半年と言われた大学生の話。その語り口が、すごくいいんです。これは小説ならではの面白さ。淡々としつつもユーモラスであり、物悲しくもある。余命半年という主題だからこそ、ちょっと冷めたような視点の語り口。思い出話をしている感じ。

ぐだぐだ書きましたが、面白いからぜひ読んでください。すばらしい。

★★★ Excellent!!!

ボリューム的には中編でしょうか、文章が読みやすいのであっという間に読み終わります。だからこそ読んでほしい物語です。
余命半年という、かなり適当な性格の小笠原先輩にまつわる話です。彼の心情はその性格、行動ゆえに理解することが難しいのですが、じんわりとにじみだしています。そのあたりの表現がとくに素晴らしく、つい自分の身に置き換えて考えさせられます。
先輩をとりまくキャラクターも曲者ぞろい、彼らが所属するビリヤード部という設定もなかなか奥深く感じられてきます。
とにかく読んでほしい、作中に流れる思いを感じてほしい、そんな物語でした。

★★★ Excellent!!!

余命もの。

メスブタおーーーんど! あ、すみません。これのインパクトが強すぎて読み終わっても頭の中にこびりついていました。いやまあ、それはどうでもよく、この作品は自由すぎる先輩の余命が半年というところから始まります。余命ものとなると、通常では悲哀からくる感動ものになりがちですが、この物語はそんな重たい空気にはならず、何処か爽快さがあるコミカルな雰囲気となっております。そしてその爽快さがあるからこそ、想いが通じ合っても何処か前向きな気持ちになれる、そんなある種不思議な作品でした。

これはなかなか、素晴らしい短編恋愛ものでした。面白かったです。

★★★ Excellent!!!

「余命半年」、そのような状況下の場合、大概は死を恐れたり嫌がったり悲壮感あふれる場合が多いかもしれません。最後ぐらいは良い事をしよう、と懸命になる場合もあるでしょう。

それと、まるで真っ向から逆の展開になっていくのがこの作品。
ある意味ではやりたい放題、跡を濁しまくり、そしてどこか爽やかな、奇妙で愉快で、その中に隠しきれない寂しさも交えた、「先輩」との不思議な最期の日々が、これでもかと描かれています。
ここまでやってのけたのですから、悔いはほとんど無いかもしれないですね…。

★★★ Excellent!!!

青春の1ページを、とても掴み所が無い先輩と過ごした後輩目線で描いた物語です。

主人公の小笠原だけでなく、周りも個性豊かな面々が集まり、いきなり結論から述べる方や、豆知識でフォローしなければならないギャップ女子や、声が大きいお人好しや、ぐちゃぐちゃ優等生など、曲者揃いで、類は友を呼ぶ。と言う事でしょうか?

さて、このメンバーで1つの計画を立て、それを実行する過程が描かれます。

そして、時折見せる小笠原の本音が、読む人の心を熱くするでしょう。

この手の話は泣きを誘う事が多い中、爽やかな読後を与える所に脱帽。

★★★ Excellent!!!

仮に、あと半年の命じゃなかったとして、
彼は、やりたいことをやり切れただろうか?
ごく軽い口調の余命宣告から始まる、
「死ぬまでにやりたいこと」を問い掛けるストーリー。

ちゃらんぽらんで自由、支離滅裂で正直、
へらへらしてるくせに芯があって、
自分本意っぽいけど本当はまわりの人たちを愛してる人。
そして、どんなに怖い思いをしても笑ってる、そんな人。

自分が半年の命だと知ったとき、彼が望んだのは、
彼自身の欲とは別のものだったように見えた。
誰かのため、とかいう空々しい目的じゃなくて、
彼はたぶん本能的に動いただけなんだろうけど。

あいつらを潰そう、と言い出した。
全部やろう、と全員を認めた。
みんなでやったから楽しかった。
楽しかったからこそ怖かったと思うんだ、本当は。

彼がいたからできたことは、
彼ひとりではやらなかったかもしれない。
彼は、ひとりでは笑わないんじゃないかという気がして。
いつも笑ってる人なのに。

正直な弱音も吐きながら、もっと正直な笑い方をして、
じたばた暴れて仲間に迷惑をかけて、
でもその迷惑すら楽しすぎて笑い合って、
「わたし」の心をアッサリさらっていった小笠原先輩。

テンポよく爽やかに読み切って、
不思議な楽しさのある作品だと思ったのに、
レビューまとめてるうちに喪失感で涙が出てきた。
染み込んで刺さってくる、こういう作品はすごく好きだ。

★★ Very Good!!

死生観について時々考えることがあります。
そして考えた結果、最後は首を振って考えるのを止めます。自分にとっての死生観とは、まだ達観出来るレベルに無いほど近かったり、遠いものです。
そういう意味で、作中に出てくる小笠原先輩というキャラクターの生き様には、彼のピュアな性格が素直に描かれていて素敵だと思いました。
また、ヒロインの一人称で進む物語の構成には、ラストシーンが一番映える最高の形を取っているなぁと、最後まで読みきって感動しました。

悲しいけれど、寂しくはならない。読了後にほっこりとした感情を抱ける作品です。

★★★ Excellent!!!

「不思議な小説」

それが第一印象です。

この小説を形容する言葉を探してみましたが
それしか思い浮かばないのです。

大学1年女子(語り部)が好きな先輩。
この先輩がちょっと変わり者で……

というストーリーなのですが、
短いなかに「起・承・転・結」が
クッキリと練り込まれていて
(章立てもそうなってるわけですが……)
次はいったいどうなるかと考えるヒマもなく
グングン引き込まれます。

こちらの予想なんか、はるかに飛び越えます。

しかも、その構成力に加えて、
文章がものすごくお上手。
読みやすい。リズミカル。隙がない。
本当に見事な作品でした。

「小説を読む楽しみ」を
存分に味わえる作品です。
ぜひ、ページを開いてみてください。

★★★ Excellent!!!

読了後、「死にたくないな」と呟きました。
生きているうちに出会えてよかったお話です。

自分を顧みて、今のままでは死にたくない。
そう思うのは本当だけど、もしも自分が今、
余命半年になったとしたら、何が出来るだろうか。
何を、したいと、思えるだろうか。

淡々と流れ、軽快にも感じるお話でしたが、
作者の気持ちが沢山込められているのが伝わりました。