余命幾ばくもない小笠原先輩。彼の本音は?

すぐに紹介される通り、へらへらと青春の日々を浪費する小笠原先輩。彼を中心に振り回される、後輩女子の主人公たちの活躍(?)が描かれます。

注目すべきは、そんな彼らの会話の中で、さりげなく、しかし明確に描かれる、『死への恐怖』。

ただし、決してお涙頂戴ではなく、「先輩はどれだけ本気で死を迎えるつもりなのか?」が疑問となって後を引く展開です。この匙加減は、実に見事だと存じます。

『結』の中で、一見唐突に見える「主人公と先輩の間柄の変化」が描かれます。
あれを了承した主人公の胸中もまた、笑顔であることを心から祈ってやみません。

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