ノンフィクションとしての重さ、読者として受け止めきれるのか。

少しずつ、時間を置きながら拝読させていただきました。
理由は単純で、いっぺんに読み切るにはあまりにも残酷だと思われたからです。
明らかに罪人としか思えない父親の言動や、周囲の人々の無理解、それに伴う著者様の苦闘など、それがはっきりと明瞭に描かれています。

純粋に文章構成が秀でている、と述べることもできますが、その読みやすさに乗って読者に叩きつけられる『現実』の重さが尋常ではありません。

こんな事案が発生するのは、現代に限った話ではないでしょう。
しかし、一つ一つの事案を見ていけば、事態のおぞましさもまた見えてきます。時代でうんぬん、と片づけられるような問題では決してありません。

幸いにも、僕は『普通の』生活を送ることができていますが、虐待や貧困で追い詰められている若い方々の話はよく耳にします。世の中を構成するのは難しく、家庭内だとさらに隠蔽されてしまう度合いが酷い。
安直に「法的な手段を!」などと言うには、あまりにも。

これが現実社会なのだと思い知りつつ、勇気をもって『知る』ことの重要性を伝えてくれる、貴重な作品だと感じました。

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