焼けるような痛みと熱さをもたらす「痛熱病」
それは不治の奇病ゆえに、高校生の少年を絶望させる。
希望無き病床で、彼は「雪女」と名乗る少女に出会う。
青い瞳を煌めかせる天衣無縫の真っ白な少女。
彼女は少年の熱を吸い取って、自らの身体に色素を生じさせた。
黒い髪と黒い瞳の印象的な美少女の姿で、少年の病を治すと言う。
以来、行動を共にするようになった少年と少女の交流が瑞々しい。
少年が名の無かった雪女の少女に「夏生(なつは)」と命名する。
彼らの心の距離が近付くほどに、夏生は雪女ではない存在へ……
大切な人を助けたい。
一心で犠牲をいとわなかった夏生の行方は?
君の手は冷たく、そして暖かかった。
タイトルの示す結末に帰結する。
感動の軌跡を、ぜひ見届けてください。