御伽術師、まずはこの響き。
御伽術師って何?錬金術師みたいな感じ?等価交換するの?と、ワクワクとドキドキを感じずにはいられません。
そして本編。
花咲か爺さんの末裔!?
花葬り!?
この発想力、すでに私の心は物語の中へ。
架空の職業を題材にしながらも、商業作品のお仕事小説に引けを取らない、いや、それ以上のリーダビリティ。
お見事です。
少年少女の成長、淡い恋愛模様、少しだけファンタジックな能力というような少年マンガ的な要素はもちろん、生き物の死という重いテーマも、上手く未来への希望を感じさせるようにまとめあげた上で、この作品の中に凝縮されています。
終盤は号泣間違いなしの素晴らしい展開。
だって、あんなのずるい。絶対泣いちゃう。
主人公はピンクの髪で、灰を花に変えられる能力を持つ“平凡な”高校生。同級生に関して悩んだり、進路に関して悩んだりする“普通の”高校生です。
あと、ちょっとお人好し。
平凡で普通でお人好し。それが今作の主人公の魅力です。特殊能力を驕るでもなくひけらかすでもない。葛藤している彼の姿を見てほしいと思います。
もちろん、他の登場人物たちも魅力的ですよ!(ツヅラがかなり良い性格してると思います。能力も便利すぎる)
色んな死の形があり、その受け止め方も様々です。色んな気持ちがこの作品には詰まっています。皆様はどのように受け止めますでしょうか?
すべて読み終えたとき、あなたの心にもきっと綺麗な花が咲くはずです!!
是非あとがきまで読んでください!
とても……とても素敵なお話でした。
感動して今も気持ちが高ぶっています。
『花咲か爺さん』を土台に紡がれたお話がここまでここまで心打たれる作品だとは最初は思いませんでした。
最初は設定が上手いなぁ、程度に思って読んでいた話だったのです。
だけど、読み進めるうちに生きていた人が『死ぬ』事の意味を考えさせられ、灰慈の心の葛藤に魅せられていきました。
そして、気付けば最後まで休憩も取らずにこのお話を読み終えていたのです。
損得感情抜きで、ただただこの作品を読めた事に感謝しています。
それくらい、心に残る物語でした。
このお話を書いてくれてありがとうございます。本当に好きなお話に触れる事が出来ました。
レビュー、拙い文章力で長々とまとまりがなくてごめんなさい。それでもまだ伝えたいことは残るくらい興奮しています。
このお話と作者さんに感謝と敬意を。
もっと沢山の人に読んでもらいたい、大好きで最高に面白い作品だと胸を張って言い切れる物語でした。
読んでみて感じたのは、この物語が非常に”美しい”ということ。
言葉を読むごとに頭の中に広がってくるのは、ピンク色の髪の主人公が奮闘する様子やたくさんのスズメたちに囲まれるフランス人のハーフの様子。
そして、彼が灰を手にし花を咲かせる様子でした。
ラストの部分では、感情移入をしてしまい、目から涙が溢れそうになってしまいました。最近、僕の周りでも人の死に出会うことがあり、このような職業や能力が実在すればいいのに、と心から願ってしまうほどです。
一つの物語として非常によくまとまっていて、直すところも付け足すところもないように感じます。
美しい、一つのこの物語に、皆さんも味わってみてください。
この物語に溢れるのは、優しさと個性。
アマゾネスと称される祖母、母、妹。イケメンな幼馴染。厳しい女教師。ペットを家族にできなかった親子。ツンデレヒロイン。誰も彼もが個性豊かで、生きているなって感じさせてくれるのだ。そんな中で、主人公は普通の高校生。
主人公・灰慈は、「本人曰く」普通の高校生。
でも、そのハートは熱い。己の役目(花咲師だ、花咲か爺さんの末裔だ、人間国宝だ)を気負い過ぎることもなく、だけど葛藤がないわけでもない。深く深く考えて生きているのだ。
この物語は、今までの人生の延長線の中で、彼がその葛藤を越えて、さらに一回り大きくなる様を鮮やかに描いてくれている。
背中を押したのは、周囲の人々と彼自身が持つ優しさ。
積み重ねられ、繋がって、新しく生まれた優しさはあなたの心にもきっと届くはずです。
灰を花に変えてしまう力をもった主人公。
亡くなった人の灰を花に変え、死者を見送る――
人の死や葬儀を題材とした作品はいくつかありますが、灰と花咲かじいさんのおとぎ話と結びつけるという着想は新しいものだったのではないかと感じます。
生と死をめぐるドラマについて、非常に深く考えられた作品ではないかと思います。
また、マンガ原作という観点から見ても、灰を花に変える部分がビジュアル的に映える部分があるかと思います。
普通、こういう穏やかな作風の作品はマンガにしようとすると派手さに欠けるという問題点が発生しますが、この作品はその点を花という題材でカバーすることも可能である点で優れているでしょう。
また、内容的にも続編が書きやすい点も高評価だと思います。
間違いなく賞を取る候補作品の一つ。
今後も応援させてもらえればと思います。