送って欲しい人を思い浮かべる名作

主人公の灰慈は、お伽話で有名な花咲か爺さんの『灰を花に変える』力の持主です。

この物語は彼が日常の中で、自分の見た目や能力のありかたに悩み、惑い、そしてそれらを乗り越えて再び自分の道を確固たるものにしていきます。

能力の有無以外は自分達の学生時代と何ら変わるものではなく、ファンタジーの要素とリアリティとが混在するステキな仕上がりになっています。

故人の遺灰を花に変える『花葬り』。読了後には、自分が花葬りで送って欲しいと思う相手を思い浮かべます。
じわりと、胸に暖かさと切なさが去来しました。一読の価値、おおいにアリです。

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