「シリアス」を「シリアス」に見せない良質な設定

学校の閉塞感、進路に迷う学生、友人の近親者の死。

題材自体は、シリアスな学園モノでよくあるものかもしれないけど、
その「シリアスさ」みたいなものを読者に押し付けない。

それはきっと、花弁や雀が最上の緩衝材として入っているからだと思う。
暗い部分も暗くなりすぎず、悲しい部分も悲しくなりすぎず。
御伽術師の設定がうまく活かされて、読者を終章まで一気に導いてくれる。

時折、舞台っぽい台詞回しが出るからか、自分は心地よく観劇しているような気分で楽しく読ませて頂きました!

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