真っ直ぐな想いから咲いた花が、私の心を掴んで離さない。

この物語に溢れるのは、優しさと個性。
アマゾネスと称される祖母、母、妹。イケメンな幼馴染。厳しい女教師。ペットを家族にできなかった親子。ツンデレヒロイン。誰も彼もが個性豊かで、生きているなって感じさせてくれるのだ。そんな中で、主人公は普通の高校生。

主人公・灰慈は、「本人曰く」普通の高校生。
でも、そのハートは熱い。己の役目(花咲師だ、花咲か爺さんの末裔だ、人間国宝だ)を気負い過ぎることもなく、だけど葛藤がないわけでもない。深く深く考えて生きているのだ。
この物語は、今までの人生の延長線の中で、彼がその葛藤を越えて、さらに一回り大きくなる様を鮮やかに描いてくれている。

背中を押したのは、周囲の人々と彼自身が持つ優しさ。
積み重ねられ、繋がって、新しく生まれた優しさはあなたの心にもきっと届くはずです。

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