花王の眼

　両親から贈られた腕時計を失くした高校一年の直子は、銭湯で牡丹の刺青の女と会った。女は「どこかで会ったことはないか」と、直子に尋ねる。刺青が思い起こさせる、幼い頃の思い出とは何だったのか。牡丹の女は誰なのか。そして、腕時計の行方は？　1980年代の海辺の田舎町から現代の都会へと移り住んだ直子の、誰にも言えない秘密が明かされていく物語。
　公開する自信がなかったので、反応見たさに地方文学賞に応募した作品です。一次選考は通過しましたが、二次で落選。性描写は一応……ということで、たいしたことはありません。
（この物語はフィクションであり、法律・法令に反する行為を容認、推奨するものではありません）