(最終回)カク ヨム カク

何のために、あなたは文章を書くだろうか。


小説家や文筆家、あるいはとにかく「書く仕事」を生涯とする目標のためだろうか。

あるいは、単純に、文章を書くことが好きで、楽しいからだろうか。

もっと卑賤な物言いをすれば、書くことによって、褒められ、認められたいためだろうか。


全ての理由が、あってよいと私は断言する。

全てに共通していることは、書くことによって、作者は自分の声を表現し、主張し、他者へ届ける手段としている事だ。


発した声に、共感するものも反発するものもあらわれるだろう。

願わくば共感を求めたいものだし、可能な限り、反発は欲しくないと思うのが正直なところだ。(と私は考える。)

もちろん、悪意・害意を腹に秘めたものは上記の中に入ってはいないし、無視すべきことでもある。


そこを踏まえて。

重要な事は、作者が発した作品に響くものがあったならば、反応レビューをかえす事だ。

なるべく好意的に。


なぜなら、それは作品を通じた対話であるし、人との繋がりである事に他ならないからだ。

人との繋がり、人付き合いにおいて、中には求めてもいない事を話してくるお節介焼きもいるだろう。

つまらぬ曲解で難癖をつける勝ちたがりもいるだろう。

そうした「うるさ型」を成長の糧とする人間も、ごく僅か存在するが、まったくの大多数ではないし、私自身は面倒なので関わりたくない。

だが、そうあるべきではない。とは言わない。

気づかぬうちに、そうなってはいないか、少しだけ意識してほしい。


趣味であれ、真剣であれ、他者とのつながりによって自らの物語は進みゆくものだし、そこには当然、嫌味な悪役ライバルだっている。

だが、それ以上に、味方の存在は大きいものなのだ。


向上心を求めるならば、自分よりも上手い相手を認め、取り込む気概を。

充足感を求めるならば、面白い作品を讃え、つながりを広げる鷹揚さを。


願わくば、発した声に大きく響いてくれる相手に巡り合えるよう。

れびうをつうじて、よりよい場を盛り立てる、よき利用者であるように。

まったくの反応が無い孤独から抜け出せるように。

健闘を祈る。

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