善意であれ触れるべきでないもの

レビュー。リアクション、感想、あるいはファンレターと言い換えてもいい。

その原動力は「書かずにはいられない気持ち」とここでは定義する。


何を書かずにはいられないのか。

「面白かった!」という感動だろうか。

「次はこうなってほしい!」という要望だろうか。

「こうすればもっといいのに…」という願いだろうか。


原動力。という点だけを見れば一つ目だろう。

とはいえ、三つともがいずれも正しい。

いずれも読んだ人間が率直に思ったものだ。

(この場において、悪意や害意に基づいたものは除外する。)


しかし、その全てが是とされるわけではない。

と私は思う。


読者は作者ではない。そして編集者でもない。

よかった。よくなかった。のいずれかを伝える第三の存在である。

ゆえに「作品をどうもっていくか」はたとえ善意であっても触れてはならない。

もしそうした意見が鎌首をもたげたのならば、極端な話自らが創造主となればよい。


しかしながら、熱心なファンが、望まない展開をした作品に対して手の平をかえす事はままある。

面白かったものが、面白くなくなる。

これも正しい。

その時、我々はどうするべきか。


「作者の作品が続く事」だけを優先して、ほめそやすか。

「面白かったあの頃にもどして!」と悲痛な叫びを届けるか。

「いまは面白くないです」と率直に伝えるか。


私は三つ目を選びたい。

しかし、面白くなかったのならば、そもそもリアクションをとろうとは思わない。

実際には「うん…」と頷いて、モニター越しに伝わらない微妙な表情をするだけだろう。


それでは「面白くない」を伝えるにはどうすればいいだろうか。


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る