こういう人が、好きだと言っている作品。

レビューをする人が、どんなジャンルを好み、どんな作品を好むのか。

また、そうした情報は必要であるのか。


ある。


なぜならばそれは「作品が支持される層」というものを知る上で非常に有用だからだ。

そして、書き手自身が「自身の作品が持っている強み」を理解するうえでも手掛かりとなるからだ。

上記は編集者が。後者は作者が欲しい情報にあたるともいえる。


支持される層。という点について考えてみる。

10代-20代が支持する時代劇と、50代-60代が支持する時代劇。

なんとなくの印象で、二つの「時代劇」が全く同じ作品であると思えるだろうか。


思えるという方もいるだろうが、ここでは思えないとしてほしい。

全ての世代に支持される作品というものは、たしかにある。

しかしながら、特定の世代にだけ支持される作品というものもあるのだ。


作品が持つ強み。について見てみよう。

恋愛ものが苦手だという人が、絶賛する恋愛映画。

派手なアクションが疲れるという人が、面白かったというアクション映画。

これらの作品には、おそらく「それ以外」の要素も際立っていたからこそ、苦手意識のある人間にも支持されたとみる事ができる。

あるいは、それぞれのジャンルが持つ独特の味わいを、あえて弱くすることで支持を得たと分析することもできる。


話を戻そう。

レビューを書く際に、みずからが好きなもの。読みたいと思っているものを示す。

そうしたレビューやメッセージが集まってくると、作品における「支持されているポイント」がいくつかの共通点として形をもってくる。


作者が力をいれていたポイントが、空振りになっていたこともありうる。

逆に、作者自身が思いもよらないところで、みずからの強みに気付く事もある。

それは間違いなく、作品の今後における力となるだろう。


ゆえに、レビューをする人は、自らの好みとするジャンルや、読みたいと思っているものを示すことで、ひとつの道標となるとよい。


つづく。

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