すでに高評価のこの作品、今さらレビューするまでもないとは思うのですが、あまりにも面白いので少しだけ。
爆笑です。笑いがとまらなくなります。
自称食通の『通』と『私』を主な登場人物として描かれるグルメエピソード(と言っていいのか分かりませんが)の数々。
常に想像を越えてくる『通』の言動もそうですが、なにより可笑しいのはそれに対する『私』の心の声。
普通ツッコミとは愛情なりあたたかさを感じるものだと思いますが、こちらのツッコミは冷酷で辛辣。的確なボキャブラリーで斬り捨てるようなフレーズ。この二人の体温の差が可笑しすぎます。
そんなに嫌ならつき合わなければいいのに、と思うのですが、これほどエピソードがあるということは、やはり切っても切れないご友人なのでしょう。いつの間にか人間関係の不思議まで考えさせてくれました。
とはいえ、純粋に笑いたい時にはぴったりの作品です。
存分に期待に応えてくれると思います。
おもしろいエッセイでした。
オープニングチューンの『お湯ラーメン』から、エンディングの『お湯なしラーメン』まで、怒涛の飯テロエッセイが続いてます。
どの料理も、美味しいはずなのです。著者さまは、味覚音痴ではないようですから。
でも、どうして、毎回、悲惨な食レポになるのでしょうか?
それは、超強力な脇役陣の所為なのです。友人のはずの『通さん』や、著者さまの『彼女さん』が、ここぞとばかりに、大活躍の大暴れ。そのおふたりに振り回される著者さまの背中には、いつも哀愁が漂います。そんな気がします。胃薬必至。
このエッセイ、だいぶ以前に完結されていたので、皆さまもご存知ではないかな?
全編、楽しく、おもしろく読ませていただきました。
でも、わたしは、この脇役陣とは、ご飯、ご一緒したくないなぁ……。
隣のテーブルから、チラチラッと覗き見るのが最高かもしれない!
昔、某エッセイスト(という肩書きではないと思うけど)さんが、著書の中で使用していたフレーズです。
対岸の火事のような男。
当事者だったり、近くにいる分は迷惑極まりないが、遠くで見る分には面白い――とかそんな感じだったと思います。まぁ、火事が見てて面白いものかどうかは置いといて。
そのエッセイスト(たぶんタレントの方が合ってる)さんにもこのエッセイに出て来る『通』氏のような友人がいて、まさかこんな人はもう彼しかいないだろうと思っていたのですが、まさかカクヨムで出会えるなんて。
(話のネタになるという点で)まことに素敵なご友人ですね、と言いたいところですが、そんな友人が欲しいかといえば、欲しくないです。
筆者さんの忍耐強さに感服し、ここまで面白く書ける才能にする嫉妬するエッセイです。
読みましょう!
そして、笑いましょう!
世の中には、話のオチがわかる時がある。
だが、「彼」の話に関して言えば着地点がまったくわからない。
挙句にはタイトルだけでは想像がつかない時まである。
「彼」の話は「自称食通」の人にありがちな所から入ったのにも関わらず、
気付けば「自称食通」だけでは説明できない人物であることがわかってくる。
「彼」の滑稽な言動は笑いと悲哀を同時に誘い、強烈なキャラクターとなって描きだされている。
そんな彼と付き合い、淡々と描きだす著者もまた独特の個性の持ち主なのかもしれない。
これがノンフィクションのなせる業なのか。
いや、著者の語り口や人物の描き方も拍車をかけているので、技量のなせる業でもあるだろう。
おまけにオチのつけかたに至るまで綺麗にストンとまとめてくれている。
飯の話なのに、まったく食欲のわかない、笑って読める秀逸なエッセイ。
ブックマークして、ちょっとずつ読みにきます。
嫌なことがあったら、簡単に気分の切り替えができそう。。。!
追記〜
…桜雪さんめちゃめちゃ優しいわ。俺だったら、主食が”ほぼデザートオンリー”の女とは付き合えませんね。。。あまりに酷い。ありえませんね!
だいたい糖尿になりますよ、白砂糖で脳がやられているのでは。。。??甘やかすと早死にしますよ!っていうか、最初から食べきれない量を注文したり、他店から持ち込んだり、ありえん! ←なぜか真剣に怒る野次馬
ん〜。。。今読み進んで、ふと、気づいたんですが、彼女、過食症じゃ?痩せてるとしたら、どこかで吐いてますよ、その食事内容。。。。怪しい。そこまで甘いもの、冷たいものばかり食べると、病気一直線。気になりますね。
ーーー
いろいろ面白いことが書いてある!で、時々ホラー。
時々、哀しい。。。
なんだろう、何故だろう!
今、読了しました!!!は〜。。胸焼けしてきた。
自分なら。。。焼きそばビール味にサワガニの時点で、友達止めますね!ママさすが、すごい。あのお友達も、って2回目も誘うところ。営業の鏡です!!
自分はタバコ吸いませんが、ジッポーの音は好きです!!
出てくる主要人物すべてが、おそらくちょっと変わったひと。
なんせすべてのエピソードにきれいなオチが着いていて、まさしくマンガを読んでるみたいなのだ。たぶんエッセイマンガとかになったらきっと買う。
それぐらいに好奇心をそそるのに充分なキャラクターたちが出来上っている。この人たちが実在するって、ちょっとすごい。そしてこの人たちと寛容に付き合える作者さん自身もきっとちょっと変わったひとなのかもしれない(ごめんなさい)
でもこれは、直に関わらないからこそこうして呆れたり笑ったりしながら傍観できるんだろうなと思う。
そしてちょっとだけ、自分を省みたりもできる。
エッセイってほんと、面白いジャンルだなと思いました。でもおそらくこれは語り手である作者さんのキャラクターも魅力的なんだろうと思います。
最後まで楽しみにしてます。
食通気取りの友人とあるのを見て、いけ好かない感じの人物像を想像していただけに、いい意味で裏切られました。
その友人は、古い時代の、小さくまとまった現代秩序にはまらない、はまる事の出来ない人間。
そして、品性に欠ける言動の多い友人を、極めて怜悧に、淡々と語る作者。
間違いなく友人は、現代において「はみ出し者」にならざるを得ない存在であると思います。
実際、身近にいたら嫌だなとさえ思う。
しかしながら、遠巻きに眺める分には哀愁とおかしみがある。
必要効率だけを追い求める現代において「はみ出すもの」の意義を考えざるを得ない。
考えなくても、単純に面白い。
そんな身近な友人の話。