高辻さくら

物語は繰り返す。言葉を、そして過ちを。

【第1回カクヨムWeb小説コンテスト】において特別賞をいただき、角川スニーカー文庫様にて、十二月一日発売となっております。 　ルーミア・セルヴィアソンは吸血鬼である。 　四百年…

——この夏の出来事は一人の少女に帰結する—— 心臓病に冒され、死を覚悟した15歳の少年『光一』。 彼が養生のために転院させられた先は、民家さえ少ない田舎だった。 光一はそこで…

正しいと信じこんだ道を必死に走ってきた。けれど、自分はほんとに正しいの？理不尽な世界で最後の一歩が踏み出せない、そんな背中を押すのは......

詩もどきの短編の小説だったり詩だったり…その他諸々気の向くままに書き綴っただけの物語。 …のはずが、最終的によくわからないものになった。

ギプス、包帯、ガーゼ。痛々しい格好をしていた中学二年生のカナリアはとても大きなヘッドホンをつけていた。そして彼女は僕に「オーケストラに連れて行ってほしい」とお願いをした。秘密を抱…

――当然のように、青年はチート能力者である。 　そこは、数多くの転生者が住む近未来都市。 　ある日、転生元の神のミスにより複数のチート能力を得た青年は、銀行強盗の現場に遭遇し…

「手を挙げろ機長！今から俺の言う通りの航路を飛べ！」 　ハイジャック犯は言った。機長は薄ら笑いを浮かべながら言った。 「撃って下さい…どの道この飛行機に乗っているのはあなた以外全…

スリの女は盗んだ財布の中の金で豪華な食事をした。だが女は気付いてなかった。その財布には、アルファベットで「ジョーカー」と焼き印があったのだ。

数年ぶりに姉さんが東京から実家に帰ってきた。 姉さんは、テンションはカスだし、バカだし、アホだし、クズだし、正直死ねばいいんじゃないかと思ったりする。 けれど、何だかんだで久しぶ…

グッピーは、卵をお腹の中で孵して稚魚を産む。 まるで人間みたいだと私は思った。 と、母魚はくるりと稚魚に振り向き、稚魚をパクリと……。 同時に――――私は涙と共に叫びがとまらな…

異世界の学園での、悲しい恋の物語。

行政A.I.は過労働環境緩和のため、『不勤労感謝の日』を制定した。それは決して働いてはいけない日。 ── 働いたら負けだ。

　京都、丹後半島の某砂浜に漂着しているのを発見された大気圏揚陸小型艇とその搭乗者と思しき身元不明の男。彼はたどたどしい日本語で、ウラシマタロウと名乗った。

　結婚三年目。子供なし。 　ホワイトデーどころか結婚記念日すらも忘れる夫。 　かつて思い描いていた「奥さん」や「お母さん」の姿とは程遠い私。 　幸せって、何だろう？

A long time ago in a kingdom far, far away.... そんな感じで書いた「異説・シンデレラ」です。 元々は子供の頃に感じた些細な疑問を作…

ある家族の物語。 北日本文学賞落選作です。 ご意見、ご感想、アドバイス、罵詈讒謗何でもどうぞ (レビューの投稿はしたくないという方はコメント機能が実装されてからでも構いません。)

軽いシニカルショートショート。

　くだらない、中身の無い高校生同士の会話。

部活（文芸部）中に書いた三題噺（三つの題材で短編を書く）の一つ。お題は「砂時計、日傘、ココア」（ｂｙ部活の友人）。喫茶店でわざわざ電話を使って会話する二人の男女のお話です。いやそ…

三題噺です。お題は「ラピスラズリ、歩行者、綿毛（条件：きらきらした話）」。やはり提供は部活の仲間。ラピスラズリって何だと思いましたよ、ええ。電子辞書よオープン、です。信号待ち中、…

ネコにマッサージされるおはなし。 なろうに投稿してたものを少し改良。

作家、伊藤計劃の『虐殺器官』に触発されて書いた短編です。オマージュしている部分もありますが、これ単体で完結しております。

物語を書くのってドキドキします。 この心意気はずっと忘れずにいたいです。 自分の書いた小説くらい好きでいてあげたいですね。

ある日、大学生のマリは、捨て子を見つける。そして、なぜかその子には彼女が想いを寄せるユウタの面影があった。彼女はその子を一旦連れて帰ることにするが……。

二路橋高校の生徒会長である橋谷恭司は、悪癖を持っていた。余裕が出来ると悪戯を仕掛けてくるのである。文化祭を間近に控え、生徒会の面々が忙しなく働く中、今日も会長が邪魔をする。 （…

人柄がよく世話好きなおじいさんとおばあさんがお伊勢参りに行きました。 そして･･････ ２０１６／９／１９　少し修正しました。

　まだ暑さの残る九月の昼下がり。『僕』は訳あって時間をつぶさなければならず、涼しさを求め電車に乗り込む。 　バッグの中には、お気に入りのアイテムとともに、ゲームボーイアドバンスＳ…

子供の頃、神隠しにあった事のある美月は、その時の記憶をずっと無くしていた。 ある日友達と訪れた神社。 そこで美月は、全ての記憶を取り戻す。

　僕は今、学園祭の準備をしている。女の子と二人きりで。まさかあんな事になろうとは、夢にも思わなかったんだ。

大学生の市原隆(いちはらたかし)の元にある日「あと5日」と書かれたメールが届く。 イタズラメールだと思った隆はそのメールを削除したが、翌日に「あと4日」と書かれたメールが届いてし…

読み専でもいいとおもいましたが、 初めて自分でも書いてみました。 ショートな読み切り短編です Since：2016年3月6日 23:23

触れれば過去へと戻れるというキューブ。 恵介と真弓はキューブを発見する。 それが二人の運命を決定づけるとも知らずに。

とある童話賞の落選作品です。字数制限が原稿用紙五枚分のため、携帯・スマートフォンの方は読みづらいかもしれません。今回に限ったことではないですが。 　とある町の、市民によるちょっ…

桜咲く、雨の日曜日。 こっそりおうちを抜け出して、迷子になった五歳のサナは、ふしぎな女の子に出会う。

最後の人魚姫となった『わたし』は、海の上を末の妹に教えたことを後悔していた。海上で鎮魂の歌を歌うことを心の慰めとしていたが、その姿を海賊の船長ルグバーンに見られて、生け捕りにされ…

淑女はまだ見つめている。藤の吸い込まれていった黝い海を。

ホームレスとして都内の公園に生きる男。そんな彼と顔見知りなのは一羽のカラスだけ……

目の前にあるのは、一つの円だ。まるい、まあるい、輪っか。 思えば私の人生は不運続きだった―― 『輪』を前にした私の、感傷と結論。

ツッコむことが好きな女子高生が、恋愛するために奮闘する話 ＜登場人物＞ ・木原桃風……ツッコむことが好きな女子高生。 ・山本春子……学校のマドンナ。桃風の親友。 ・横井秀一………

まいった。どうしよう。 わたしは一人、飼育小屋の前で苦悩している。 わたしは何かおかしいのかもしれない。 小説家になろうにも投稿しています。

授業の緊迫感から解放された学生たちが見せる、何気ない日常のひととき。 爽やかな薫りに誘われ、今日も教室には笑いがこだまする（美化150％）。

「ここには、秋が残っていると聞いて……」 とある峠の茶屋に現れた旅人は、そう答えた。

生き残ってしまった男の葛藤と過去に向き合う話

俺はしけた中華屋で酒を飲んでいた。人生にうんざりして溜息をつくと、カンフー服の青年が現れて言った。「退屈なおじさんに特別な芸を見せてあげよう、顔が次々と変わる変面だよ」 俺は変…

「未明から降り出した雨は、夜半まで降り続く見込みで――」 　天気予報を見て、いつもの時間にいつも通りに家を出る。けれど雨の日だけは気分は特別だった。彼女に会えるのは、決まって雨の…