ミーシャ

増井敏克著『IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256 』翔泳社、2019年。 新型コロナウイルスと共存するこの時代に、おすすめの本の紹介。

想像力を培うには、ある程度の経験値も必要です。けれど、その経験をしっかりと積める時間や場を用意できない時代になってきているような気がします。 "短い呼吸"をこのまま続けていくこ…

「世界共通の辞書アプリが誕生」

見えなくとも、あまりにありふれた怒りの、３態様について

お題「マンション、歪み、立入禁止」 ＃イベント参加作品

自分の足元が揺らぎ続けた 学生時代の日記から、１ページ。

「こんなこと考えてたんだ」と言って　取り出された ある友人のメモ

五月も半ば、ゴールデン・ウィーク病にかかった我が友人たちは、たちどころに大学から姿を消した。

「俺にとって、喜怒哀楽の全ては憧憬の対象なんです。 何か一つの感情でも、複数でも、真に "支配されること" にあこがれる。 いくら人の真似をして演じたところで、本当に俺のもの…

「だれと話をしたいの？」 彼が放った言葉は、私に宛てたものだったのに わたしは、何も答えることができなかった。

『反逆の神話―カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』 ジョセフ・ヒース＋アンドルー・ポター、栗原百代訳、NTT出版、2014 (原題 ”THE REBEL SEL…

鎮守の山の神が消えるとき 鬼との邂逅　変わりゆく人の言葉に 心揺れる山神　五十鈴（いすず）の物語 * * * 　月夜の空を、薄い雲が幾つも流れていく。黄身色の光は温かく、山…

10代の頃に書いたものから

M.マクルハーン『メディア論』1964年 以降の世界。

あなたがいてくれて、本当に僕は救われている。 これまでそれを認められなくて、どうにもそれが、恥ずかしい。

他惑星の侵略を受けた人類は、難民として わずかに生き延びる方法を採った。 そのうちの一つ、宇宙船アルミナは定員１５０を超える２００名の人類を乗せ、 最も長い旅路に着いた。 その…

君の腕に包帯を巻く僕と、それを眺める君。 若い夫婦の間に起きた 一つの出来事。

皮肉屋のまま歳を重ねた独り身の教員が "個性的"な御嬢様女子高生、風波ミカとの出会いにより、 何故か アサッテの事情のために性格を軌道修正、 残りの人生を焼尽することになる話…（…

楽しい提案付きのメッセージを頂戴したので、 その返信です。

ある二人の、恋と仕事の話。 登場人物＊ 羽村ミオリ　職業；弁護士 向坂イスミ　職業；食品加工会社営業（転職前：化粧品会社勤務） 中学以来、20年ほどの付き合い。週末に会うのが近…

お仕事小説を考えていて、目にしたニュースから。 善意で支えられている、あの電話が繋がらないという 人手不足の背景を知り、また、 それだけ多くの電話が鳴る光景を、思いました。 …

ここではないどこかを求めて 1. M・エンデの「遠い旅路の目的地」によせて 2. 追想　懐かしく不自由なソビエトを想って 理想の自己と現実　 / 評論 1. ドストエフスキ…

彼女は、理解していた。母親は彼女に、何も求めていなかった。 言葉や優しさ、もちろん介助も。そして希望も。 何一つ、娘の彼女には求めていなかった。 そうやって、二人は家族という…

いま、自分が立っているのはスーパーの菓子売り場である。 子どもの頃ならいざ、喜んで走って来るところだが、 30も過ぎた男が悩んでやってくる場所ではない。 今日は妹に頼まれ、4…

雪はまた、女子に頬を引っ叩かれるという状況に陥った。 雪は、自分の何が悪いのか全く分からなかったし、その相手の女子だって、いったいどういう理由があってそんなことをしたのか、きっ…

参考文献 『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』（ジェフ・ジャービス著、東洋経済新報社、2016） ※追記しました。12/30. 2016

日ごろの実感を込めて 掌編です

整理中　no.4"

整理中　no.2"

整理中　no.1"

1186年、ナサニエルは御光のもとに、二度目の生を受けた。それは彼が九つの頃だった。 イタリア・ジェノヴァの東、砂の多い荒涼とした大地が彼の故郷であり、六人目の子どもだった彼は、…

物語から詩へ―詩から記憶へ

大きな問題を、個人の掌サイズに集約して見せる哲学の粋が、竹田氏の頭の中に確かに開花している。 それでも、「ねばならない」原理が、ホッブズ以来の（政治）哲学者たちによる 「どうやら…

「率直に言ってしまうと、僕は君のような天性のテロリストを敬愛しているし、うらやましいとさえ思う。何故だと思う？」 彼女は目に落ちてきた髪を払い、疑問の視線を送ってくる。 「僕…

道義的公平性、正義を己の肉として生きる主体のなかにこそ、サディズムとマゾヒズムが息づく土壌がある。

“小説”を書く際に、ずっと気になっていた「視点」の問題。

こうして神は、巧妙に自らの足跡を隠したのです―。

派遣会社に就職した斎藤美月（君）は、 どこか変わっていました。 彼にだけ見えた、 中島部長（Ms.）の背中にあるもの。 出会う人たちが口にする、好きな色とその理由。 彼の好き…

時代の中で、しごく真っ当な生き方をしたいのなら、何より、人殺しに慣れなくてはならない。なぜなら資本主義も戦争も、人殺しを育てるのに躍起になっているから。 我々の良心は脆弱で、日々…

選択肢１．食べ物 選択肢２．食べ物ではない 選択肢３．存在しない 選択肢４．”わたし” 選択肢５．”あなた”

女王は、自分たちが期待する以上に働き、自分たちの知らない苦労もしているかもしれないが、女王は弱音を吐くのがお嫌いだ。だから、誰も彼女を人間だとは言えないのである。それは、彼女が自…

私の中で、何かが変わった瞬間だった。 その人は、暗くもない庭先の椿の下で、死んだふりをしていた。