「家族は社会の最小単位である」。そんなことを昔、教科書で読んだことを思い出す。この作中の主人公の語りは、どこか物事に対して一歩引いていて、虚無感すら漂っている。まるで主人公は生きずらい閉鎖的な場所にいるようだった。そこに現れた一人の男。彼は主人公にとって、救いになるのか、それともまた違った意味を持つのか? 決して軽くはない作品ですが、一読の価値があります。読んだ後、自分と重ね合せて、いろいろ考えさせられました。 是非、御一読を。