圭琴子

　いつも友人と遊ぶ街で、新しく出来た焼き肉屋が目にとまる。 　安い！　美味い！ 　中でもとびきり美味い肉があった。 「これ何の肉？」 「豚……う～ん、違う気もする？」 「まあいい…

　高貴な生まれのアリスクスは、齢十九にして貴族の子息が修めるべき座学を全て自分のものとしてしまった。 　成人まではあと一年。 　母親譲りの紅顔を持つ彼は、その日々を令嬢たちとの火…

　浅田は渡辺が新人研修をして以来、ニコイチで行動するようになった、会社の先輩後輩だ。 　どうもこの頃、浅田の様子がおかしい。 「まさか、恋煩いか？」 　半分冗談で言った言葉に、浅…

エンターテイメント要素の高い、あまり恐くないホラー作品です。

　恥ずかしながら、私はものごころのつかない保育園の頃から、お遊戯会の後列で全員分のダンスを踊ってしまうようなパリピだったらしい。 　いや陰キャなので、パリピではパリピの方に失礼か…

　泰介は、婚約した咲子のマリッジブルーに悩んでいた。 　穏やかな筈の咲子の飼い猫・ビリーが泰介に懐かず、本能的に咲子は泰介との結婚を躊躇う。 　けれどある日、ビリーが居なくなって…

　好きなアニメ繋がりのオフ会で出会った女の子、Ｓ＠ｍｅｙちゃんと、僕は毎日のようにＸで話してた。 　話題は、『プチオフ』の行き先。プチオフと言っても二人っきり、事実上のデートだ。…

　圭琴子が異世界ファンタジーを書くとこうなります。 　660字の掌編。

　遠距離恋愛で一年ぶりに逢う智は、あたしに何か隠していて……？ 　浮気をしてる男は、罪悪感から急に優しくなると聞いたことがある。 「愛してるよ」 　そんな言葉、今まで一度も言った…

　目が覚めたら、狭い狭い檻の中だった。 　仔猫を誘拐した罪で、僕は裁判にかけられる。 　有罪になったら、どうなっちゃうの！？

　紺色の繋ぎを着た男性が、閉店間近の花屋に入った。花とは縁のなさそうな無骨な男性は、それでも店内をあちこち見て回る。冷やかしではないらしい。 　彼が求めていたのは、告白の為の花束…

　二〇三五年、ジェンダー平等を訴える若者たちの間で流行し始めたのは、自分の性自認などを色で明確に示すジェンダーアクセサリーだった。 　ケンジは幼い頃から、男性にも女性にも好意を抱…

ポストに入っていた『眠れぬ夜の寝かしつけサービス』のチラシ。 興味本位で呼んでみたら、少し年上のめちゃくちゃタイプのお姉さんが現われた。 シチュエーションは『ちょっとエッチな隣の…

普通に恋愛の短歌ですが、実はBL作品だったりします。

普通に恋愛の短歌ですが、実はBL作品だったりします。

普通に恋愛の短歌ですが、実はBL作品だったりします。

普通に恋愛の短歌ですが、実はBL作品だったりします。

　あたしと蓮は、幼稚園から中学まで一緒の、幼馴染みだった。 　あんまり一緒に居過ぎて、居るのが当たり前で、『付き合う』なんて概念もないまま、高校は分かれてしまった。 　いつから…

【カレン】……SF 【ニイガタで受けた依頼】……ファンタジー 【深い雪】……恋愛 【万歳。】……歴史？ 【長岡花火】……現代ドラマ 【利き酒の出来る女】……現代ドラマ 【予感】……

　望月義則(もちづきよしのり)は休日、芸術の街・下北沢で、ふらりと劇場に入って舞台を観るのが趣味だった。だが大劇場には、見向きもしない。キャパシティ百前後の小劇場で、駆け出しの役…

　短編を中心に、緩い日常BLを上げていきます。 　性描写を含む事はないと思いますが、もしある場合は注意書きしますので、ご安心を。 　糖度高めになると思います。

　あのひとと初めて会ったのは、未明に雪がちらついた、冬の季節の始まりだった。 　神様、願いごとがひとつ叶うなら、彼女と同じところに行きたい。 　そう願った僕に、優しい神様は、ひど…

　日系イギリス人・ジョン＝田中＝スミスは、ロンドン郊外に住んでいた。 　だが父から聞く日本への憧れを捨てきれず、三十九歳にして移住を決めた。一ヶ月の期限付きで。 　日本はちょうど…

　如月芳美さん著【よんよんまる】の二次創作短編です。 　『第18話　布団の中で』から、『第19話　二人のユニット』の、間の話になります。 　【よんよんまる】本編。 　https…

　いつもは男子としか話さない硬派な田上くんは、あたしのスマホのロック画面を見て、不意に微笑んだ。 「中島、猫飼ってんの？」 「う、うん」 「俺んちでも昔、そういう長毛の黒猫飼って…

　あたしはミカ。二十三歳。短大を卒業して大手商社に就職し、順風満帆だった。「可愛い」で、人生の道を踏み外すまでは。 　課長は仕事中いつも眉間に縦じわを刻んでいたけれど、ひとり残業…

　その頃のあたしはまだ、この世に『絶対に叶わない恋』があるなんて、考えたこともなかった。 　神様には会ったことはないけれど、この世の何処かには居るんだろうなんて、ぼんやりと考えて…

　昨日までは長雨の喜びにひっそりと蛙の夫婦だけが輪唱していたが、現金なもので今日はもう蝉がうるさいくらいだ。 　燃えるような気温の中、燃えるような恋をたった一度して儚く散っていく…

京(受け)が真一(攻め)に仕掛けた、ヴァレンタインデーの甘い罠。

　──ドクン。ドクン。ドクン。 　びょうびょうと髪を吹き乱すビル風を伴奏に、俺の鼓動の旋律が刻まれる。腹ばいになった視線の先には、六百メートルをカバーする照準スコープ。腕の中に…

「先生、好きでした。……いいえ。ずっと、好きです。今でも」 　同窓会で、焼けぼっくいに火がついたなんて話はチラホラ聞いたことがあったが、まさか自分の身にそんな珍事が起こるとは夢に…

普通に恋愛の短歌ですが、実はBL作品だったりします。

　煙草なんか、万病の元だと思っていた。 　だけどそれを美味そうに吐く彼の横顔に、いつしか俺は惹かれていた。 ※BLですが、仄めかす程度です。

「愛してます」 「私は愛してないわ」 　高橋くんは、身だしなみにうるさい。いつもスーツの内ポケットに忍ばせてるコンパクトミラーを差し出すと、こちらに向けて私の顔を映してみせた。 …

　舞台は、ヴァンパイアが跋扈する世界。 　ゼスは、１２歳で家を飛び出し、長じてヴァンパイア･ハンターとなった青年だった。 　ある村から依頼を受けてやってきたが、件のヴァンパイアと…

　バイトリーダーになった中橋は、いつものようにエリアマネージャーの高見沢に送られて、夜道を帰っていた。 　今日は、ハロウィン。 　近所の幼稚園の子供たちの為にお菓子を買う中橋に、…

　庶務課の沢田は、終業間近、休憩室に入った。 　そこには、若くして営業課長になったエリート、河内が居た。 「何飲んでるんですか？」 　沢田は何気なく訊く。意外な答えが返ってくると…

　俺は、インディーズバンドのベーシスト。 　新しいマンションに引っ越してきたのをきっかけに、隣人や周りの奴らを巻き込んで、生活が一変する。 　特に、隣人の京とは気が合った。 　……

　理沙は、同期の剛に恋をしていた。 　だが剛は、夜遊びに余念がない。 　意を決してチョコレートを用意した理沙だったが、それを取り出す前に、デスクの上に積まれたチョコレートを目にし…

「今日は何が食いたい？」 　そう訊いたジョニーに、レナは、 「スシバーに行ってみたい！」 　と答えた。 　レナのお目当ては、カルフォルニア・ロール。 　けれど、奮発して入った本格…

　うちの前には、公園があった。 　玄関を抜けて真っ直ぐ五歩歩くと、公園の入り口。 　だから私は小さい頃、そこを『うちの公園』と呼んでいた。

中学の時、まだ目の開かぬ捨て猫を拾った。 黒猫だった。 高校の時、友人宅から仔猫を譲り受けた。 アメショだった。 二匹の猫は家族の一員として、時に可笑しく、時に優しく、私の人生に…

大輔と翔は、蜜月を過ごしていた。 しかし翔には悩みがあった。 たまには、エッチしないでお喋りを楽しみたい。 初めて拒んだ夜、大輔はなかなかシャワーから上がってこなかった。 ほのぼ…

とある幼稚園の入園式。 母とはぐれた大輔は、さめざめと泣いていた。 一方、入園式に飽きた翔は、体育館を抜け出す。 二人が出逢ったのは、満開の桜の木の下。 運命の歯車が回り始める。…

四月二十三日。 杉山は、後輩の久保田からプレゼントを貰う。 でも、今日は誕生日でも何でもない。 戸惑う杉山に、同じく後輩の高橋が教えてくれた。 今日は、『サン・ジョルディ』の日な…

　エドはある日、診察台の上で目を覚ました。 　覚えているのは、目の前のクリフトンという男の名前だけ。 　エドは記憶喪失だという。 　その日から、二人の奇妙な同居生活が始まった。 …

　宇宙歴三百八十二年。 　人類は、枯渇した地球を捨て、スペースコロニーや惑星に移り住んでいた。 　そんな中、宇宙船ブラックレオパード号に乗り込んだ船長ラドラム・船医マリリン・操縦…