丸井零

数年ぶりに実家へ帰ってきた佐伯は、隣町の銭湯で高校の同級生である「尾張」と再会する。

※本作は2021年配信の終末百合SFアンソロジー「ハッピーライフ・シュガーエンド」収録作の改稿版になります。 　〝異常災害〟と呼ばれる人知を超えた事象の連鎖がもたらした〈終末現…

夏の短編集です。 「スイカ」……「スイカの種をほじくる行為が何に似ているか」を、好きな子と議論する話 「なにもしない日」……なにもしない林の話 「思い出は美しいから」……モトカレ…

Twitterで「文字書きワードパレット」をお借りして書いたショートショート。 お題は「ドア・イン・ザ・ボックス（優しい嘘、ナイフ、放っておいて）」

【殺伐感情戦線：第22回】お題「欲望」 　昔から、妙なものを口に入れては吐き出す癖があった。 　私が小学校で他人のかさぶたを口にしている間に両親は離婚した。 　大学で”先輩”と…

殺意、執着、嫌悪、愛憎――女たちを蝕む女への激情。狂おしいまでの殺伐百合感情を描く短編集です。 ここに収録した短編はTwitter企画「殺伐感情戦線」への参加作品です。

※ 2021/9/3 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第17回 お題「雨」】 　戦争によって空が青を失った世界。 　”私”は友人の花雨と肩を寄せ合って日々を過ごしている。親を亡く…

※ 2021/4/16 改稿版 公開 【殺伐感情戦線：第16回】お題「嘘」 　”私”はかつて小説家になることを目指していたが、大学卒業から数年後のある日、夢を見るのをやめた。…

「お前は持たざるものだ。私の言葉の重さを、痛みを、呪いをお前が理解するときが必ずくる。同志上級軍曹、いずれお前は」 そう彼女は言った。 あの戦争から一年。 元ソビエト赤軍最…

【殺伐感情戦線：第12回】お題「髪」 人の頭部を実につける”人頭木”。 ”私”はある日、秋口美園に似た実をつけた株を見つけ、持ち帰って”ミソノ”と名付けた。 死者の色合いと硬直…

2020年8月に控えた世界の終わりに向けて、各自、3つの世界線のどれかに「進路希望」を出すことになった。 友達になりたいと思っていた相手に、二度と触れられなくなるかもしれない。そ…

単語生成アプリによって偶然生まれた言葉をお題として書く短編集、もとい断片集です。三題噺みたいなものだと思っていただければ。 短編と呼ぶには少し脈絡のないものが主立っています。 …

女子高に通う少女の身に起きた、バター香るささやかな不思議。 少女は、無気力な家庭教師に謎を持ちかける。

擬人化。それは人でないものを人になぞらえる営み。 そんな一つの技法をテーマにした小説の登場人物として設定された二人の少女は、そのプロットの中で思考する。

生きてる少女が知っている、死んだ少女のお話です。

私、駒綱なずな、17歳。普通の暮らしに飽き飽きしている普通の高校生二年生。だけど『撃ったものを絶対喋らせる光線銃』を偶然拾って、流れで魔女になっちゃいました。そしたらチュパカブラ…

空が真赤に染まる夕暮れ時、私は生と死の狭間に立つ少女と出会った。 死にたがりな少女と無気力な高校教師との出会いと別れ。 そんなひと夏の物語。 彼女は残りの命、その全てに炎を灯…

「スナイパーとスナイパー。女と女。 殺意融け合う雪原の中、その最果てに決する勝負の行方は――。」 ある戦争にまつわる、オムニバス形式の女と女の話です。