雪の弾丸

作者 愛と勇気と希望と友情の前野

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★★★ Excellent!!!

余計なものを徹底的に削ぎ落して「何か」を純化させるとどうなるか。怒りも悲しみも通り越した先の荒涼とした景色の中に佇むとき、人は何を見るのか。ちょっとやそっとの覚悟では決して触れられない領域が、ここにはあります。

各キャラクターの置かれた状況も、抱えた思いもさまざまです。見え隠れしている背景も重厚です。饒舌に引き延ばすだけでも大長編にできたであろう題材を、ぎりぎりまで圧縮して叩きつけたからこその凄絶さだと感じました。まさしく銃弾のように、読み手を一撃で貫く小説です。

★★★ Excellent!!!

人様の作品のレビューで自己紹介しますが、私は軍人百合が好きです。殺伐としてるともっと好きです。殺しあう運命の宿敵同士とかだった日には泣き咽んで世界を祝福します。
そんなわけで今日は記念日です。ハレルヤ。素晴らしい殺伐軍人敵対関係百合をありがとうございます。

私の性癖ばかり語ってしまいましたが、間違っても属性頼りのお話ではありません。
一話目、互いの姿も見つけられない中での狙撃手と狙撃手の攻防。他者の全てが死に絶えた雪原、一秒でも読みを誤れば相手にやられかねない緊張感。乾いた筆致で描かれる戦場描写は、読んでいるこちらにまで息を呑ませます。

そんな中で相手の思考を読み合い一手先を奪いあう女と女、めちゃくちゃ百合なんですよね。すみませんやっぱりここに落ち着きます。戦場の女女が好きな人は必読です。