私たちはただそうやって

作者 井桁沙凪

55

20人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

一人の少女の死について語られるリアルなドラマです。
戦々恐々。でも目が離せない。ドキドキする。
圧倒的な思考と絶え間ない一人称での語りに勢いを感じました。
言葉選びのセンスが輝いています。
何も包み隠さない、現実の高校生の声を聞いたような気分になりました。

★★★ Excellent!!!

 最初目がいったのはタイトルではなく、アオリの部分でした。
 正直、興味を惹かれたというよりは反感を感じたと言った方が正しかったです。
 でも実際呼んでみれば、妙なリアリティや主人公のどこか擦れた感性、自殺やいじめに対する直球過ぎる意見に不思議な魅力と興奮を感じ、引き込まれてしまいました。
幽霊が出てきたときは、あれ? となりましたが、それも納得できる形にまとめられていて、今まで読んだ小説の中でもかなり完成度の高いものです。
 いじめと自殺というテーマ故に敬遠しがちな人もいるでしょうが、これは一読の価値ありと思いました。

★★★ Excellent!!!

心臓が掴まれる、または握りつぶされる
そんな表現が一番お似合いなような、そう出ないような小説。どうしてもそれだけじゃ不十分なような気がするから、やはり平凡に「息がつまる」と表現する方がかえって単純かつ明瞭なものかもしれない。
ここで誤解して欲しくないのが、決して息がつまるというものが不快なものではないということだ。息がつまるというにもどことなくニュアンスが違うような気もするが、まっさらな海の中で息も叶わぬままに沈んで行くような、そんな感覚。苦しいような、ゆったりと堕ちて行く感覚が心地いいような。
それを可能にしているのが、圧倒的な分量に込められた限りなく純粋に近い、実物大の、見当違いにもほどがあるかもしれないが、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の冒頭部分に似たような、末恐ろしいほどの美麗な、高画質、高密度な風景と相反するように、ドロドロに煮詰まった負の感情なのだろう。
体の中に溜まった膿を吐き出すような独白。独白は独白のままではただの愚痴話になる。何か、そこから掬い上げなければいけない大切なものを昇華して、それを文章にしていかなければいけない。
それがこの作品の筆者にとってのこの結末であり、痛烈な叫びだったのだろう。
私たちは生き、逝きなければならない。

是非ともこの作品は読んでいただきたい。きっとあなたも心臓を掴まれる。

★★★ Excellent!!!

言葉に圧倒されました。

それと同時に、おこがましいかもしれませんが作者さんの気持ちが理解できました。
私も高校生やってます。
傍から見ればどう写っているのか分かりませんが、実際の高校生の心の中ってこんなんですよ。正しいことも何が間違いかも分かんなくて、好きだけど嫌いで、死にたいけど死にたくないし、大人になりたいのになりたくない。
そんなぐちゃぐちゃなミキサーにぶち込んで混ぜたような感情を心に抱えて生きてます。
少なくとも私はそうです。
作者さんもきっとそうなのではないでしょうか。

なんだか私の心の中をつらつらと書いてしまいましたが、こういう剥き出しの感情は、中々店頭で並んでいる小説では味合うことが出来ないので、是非読んでみてください。


★★ Very Good!!

言葉、言葉、言葉。
言葉の洪水が脳を揺さぶる。

同級生が死んで、悲しいのか、なんとも思っていないのか、後悔しているのか、羨ましいのか、複雑に絡みあい表現できない感情を、はたして表現できる言葉はあるのか。

作者は、書きたいことを表現できているのか。読者は、作者の書いた言葉をはたして理解できているのか。

私は、この作品を読んで、何が書いてあるのか良くわからなかった。作者の書きたいことも、登場人物の気持ちも良くわからなかった。しかし、なんとなく、わかったような気もしている。

わかるようでわからない。わからないようでわかる。

そんな、不思議な作品でした。