あなぐま

かつて『断空のゼレス』と呼ばれたその男は、幼い子を連れて、宛のない旅をしていた。 男は竜殺しを成したが、その事を悔い、剣を捨てた。 我が子——殺した竜の遺した仔であるネルと共に、…

　湿地のロリニアに国定保護指定の森がある。そこに棲む森小人は誰に害なす存在ではないのに、あるとき突然村を焼かれて根絶やしにされた。 　なぜ。なぜなんだ。意図不明な現実にエリクは無…

人間の立ち入らぬ深い深い森の奥 小さな小屋で暮らすクロフォードとケイラ 白髪混じりの短い髪に、幼いケイラを見つめる眦に刻まれる優しげな皺 クロフォードがかつて名を馳せた凄腕の冒険…

※本作は「ゆるプロット交換会」参加作品です。 主催蟬時雨あさぎさんのゆるプロットを元に執筆した作品となります。 「ゆるプロット交換会」について詳しくは以下リンクから。 https…

やふー！　こんにちはこんばんわ。 ぎざです。 このたび、 カクヨムなどでご活躍されている、 蝉時雨あさぎさんが企画した、 【ゆるプロット企画】に参加したのがこの小説です。 企…

今は神と呼ばれるその男は、かつて、魔王と呼ばれていた。 彼は魔王だった頃、ただ一人の友と呼べる男とある一つの約束をした。 「私が道を誤った時は、お前が私を殺せ」 その長い時の…

この裏社会には、最強と噂される殺し屋が二人いる。 誰にも気付かれる事なく標的を消す殺し屋、『鴉』。 標的がどこにいても追い詰め決して逃がさない殺し屋、『黒薔薇姫』。 そんな二人に…

　世間を騒がせている怪盗集団『かたゆでたまご』は、いまどきにしては珍しく予告状を送り付けては警察と対峙し、なのにその尻尾すら掴むことができない謎多き集団だ。 　俺が警察官になって…

飼い犬のケンタがいなくなった。 散歩の途中、葉子がコンビニに立ち寄ったわずか数分のあいだに。 夫は葉子をなじるだけで、まったく協力してくれる気配がない。 しかたなく警察に助けを求…

※本作は「ゆるプロット交換会」参加作品です。 由希さんのゆるプロットを元に執筆した作品となります。 「ゆるプロット交換会」について詳しくは以下リンクから。 https://kak…

「みなさんこんばんは。今夜も始まりましました、まどろみさんのミッドナイトラジオの時間です。パーソナリティはわたくし、真宵がお届け致します」 　 　『まどろみさんのミッドナイトラ…

　あの日から、僕は毎日『彼女』が作った料理を食べている。 　どこの誰かも知らない『彼女』。突然僕の家に居着いた『彼女』。 　でも何故か、僕は今宵も君と晩餐をとっていた。 ※…

九十九人の村人が殺された。 村の修道女ネフェニーは復讐を誓って髪を売り、剣を取った。 彼女が教えを乞うたのは剣姫ラウラ。漆黒の剣を携えた、老いてなお最強の女剣士である。 「あな…

遺跡都市、ノルミアでは一人の女ハンターがいる。遺跡に潜っては多彩な財宝を手にする名うてのハンターだが決して馴れ合うことなく、殺気を放っている。そんな彼女に穏やかに接するのは受付カ…

　夢だったのかもしれない。 　少年は、ランドセルを背負うようになってから何となくそんな風に振り返る。 　けれど──。 　あのときの男の手の強さ、汗、妙なこわばりを、少年は忘れ…

　かつて光彩色の丘と呼ばれた大陸に、特別な資源を有する三つの国があった。 　しかし、その資源を独占しようとする者が現われ、三国は争うことになる。 　後に『消失戦争』と言われる大戦…

　引越しの挨拶のため、その町でもっともチカラの強い『場所』へ向かった遙華。そこで待ち構えていたのは男の子の霊体であった。 「今世こそボクと一緒に過ごそう」 　そう言ってイケメ…

夏目悠(なつめゆう)は、仕事は出来るが私生活はだらしない姉、理緒(りお)の面倒を見ながら暮らしている高校生。 早くに親を亡くし、姉と二人助け合いながら生きてきた悠だったが、ある日…

　私たち魔族は人間の戦争に巻き込まれ、捕えられました。 　もう終わりだと思いました。このまま人間たちに支配され、奴隷になるのだと。 　でも人間に脅かされた私たちを救ったのも、また…

難攻不落の麗しきご令嬢・ナターシャに恋をしていて少々悪癖をわずらっている（自称）紳士的な主人公は、いつか憧れの彼女に踏んでもらうため、彼女の弟であるロッティに土下座して協力を申し…

　日ノ本一の遊廓とは名ばかりで、この色街は人間の見世物小屋だ。 　来る客のほとんどは獣人や人外で、何が愉しいのか人間の女と夜を明かす。普通に抱く者もいれば、面白可笑しく観察し…

学生時代、友人に誘われた家出についていけなかったことを後悔していたマリア。その友人の訃報が届き、ひとりで家出のやり直しをすることにした。ニューオーリンズからシカゴまで走る、19時…

KAC20223【第六感】 　私の彼氏はやばい人だ。 　入社当初も同期である彼をどこか危険な人だと感じていた。いわゆる第六感というものだ。誰にでも優しく、仕事のできる完璧な人に見…

　唯一、私の遊びを否定をしなかった執事のリチャードでさえ、近頃は『そろそろ年頃になるのだから』と思っているんじゃないかしら。そんな視線をヒシヒシと感じる。 　十歳になって、自由…

　日本の首都であり心臓、東京。 　都心は見上げる程の高いビルが並び、雑多で、慌しく時間が駆け抜けていく。 　千四百万人近い様々な人間が、様々な思惑を抱きながら生きているこの土地…

ビルツ家のサロンは、決まって夜を迎えた図書室で開かれる。 三女にして《じゃじゃ馬娘》ことアンナは、今日も猟師の青年ルーに首ったけ。冬を迎えた図書館で、彼らは今日もチェスに興じるが…

　マンションの隣の家に引っ越してきたお姉さんは、中学三年生らしい。毎朝エレベーターの前でぼくと遭遇して、エレベーターで一緒に一階へ降りている。 　お姉さんは、ストレートの長い黒髪…

各地で災害を引き起こす魔導書が出現する世界。 それに対応するべく焚書課と呼ばれる法務省の組織が活躍していた。 彼らは相棒の特殊義体、クロノスを駆使し、超常現象を発する魔導書を鎮圧…

　数字の大小で身分が決まる国で奴隷として生きてきた男は、乱心した国王の言葉を聞いて、己を虐げてきた人間達に復讐することを誓った。 　見知らぬ場所で目覚めた男。 　声をかけた派手…

大陸最北の地・ブロッシアを目指す少女、カペラ。 勝ち気な性格ながらも病弱だった彼女は、元々は壮年の年代でベッドから動けず寝たきりの生活だったが、出会った死神・ジルゴートから〝一日…

中学時代に夢見た未来は、現実に呑み込まれて消えてしまった……はずだった。 二十年以上ぶりに再会した俺と俊哉は、少しだけ違う形で、それでもあの頃の夢を叶えることになる。 －－－ …

前世の贖罪の為だけに転生させられ、生き続ける男、グレイ。 記憶喪失の少女ミーシャを故郷に還す為旅をする彼の、旅の一幕。 罪を犯した者に、何かを願う事は許されるのだろうか？ …

※本作は「ゆるプロット交換会」参加作品です。 あなぐま様のゆるプロットを元に執筆した作品となります。 「ゆるプロット交換会」について詳しくは以下リンクから。 https://ka…

腕の立つ暗殺者であった過去をひた隠しながら『普通の娘』として生きるサザは、働く酒場の突然の閉店により突如仕事を失ってしまう。 　全く仕事の見つからないサザを心配した仲間が取り付け…

貧しい百姓だった信三郎は、上京し、新撰組に心を奪われ入隊をする。 しかし、二回目の見廻りで薩摩の不逞浪士と相対することになってしまい……。 　　 ※創作です。実在していた…

荒廃した世界。 暴走したDNA、ミュータントの跳梁跋扈する荒野。 恐るべき異形の化け物の前に、命は無残に散る。 ミュータントに攫われた少女は 闇の中で、赤く光る無数の目に囲まれ…