相互監視社会と呼ばれる現代、「いじめ」というワードは「出してはいけない」扱いされている。
どう結論づけようとも、全員が納得する答えはない。
だが現に起こり続けている以上、考えを止めるわけにもいかない。
一方を悪と断ずるのも、両方が半分ずつ悪と断ずるのも、簡単に出来る。
だから利いた風な口をきくことにした。
いじめ行為におけるいじめっ子の心理状況について
https://kakuyomu.jp/works/16818093075244074865/episodes/16818093075244089238 このエッセイの執筆にはキム・ジヘ氏の本「差別はたいてい悪意のない人がする」が大きく寄与した。
いじめや差別、ハラスメントは、ステレオタイプな極悪人によって為されるものではない。一般人、それも問題を改善しようと手を尽くす善人ですら、半ば無意識的に「不適切な発言」をし、加害者になってしまう。
見えない立場の違い、適用される前提の違い。そういうケースを実体験を交えて豊富に載せている。
言い方はなんだが、人間ドラマを描く際に非常に参考になるだろう一冊だった。