黒澤様から以前オススメされたキャサリン・ストー「マリアンヌの夢」を読み始めている。
10歳の誕生日を迎えたマリアンヌは、期待に満ちた空想を抱いて乗馬に臨む。
期待通りではないにせよ、結果に納得した彼女だったが、乗馬の後から体調が悪化してしまい、
母親が作ってくれたご馳走を食べることも出来なくなる。
歯痒さを覚えながら、快復した後に望みをかけるマリアンヌだったが……
という筋書きで話は進む。
まず「マリアンヌは昔の私か」と思うくらい、子供の心が緻密に描かれていることがわかる。
世界が家と学校くらいしかなく、起こる出来事ひとつひとつに全力で反応していた頃だ。
新しいことに挑戦する際に過度な成功例が浮かんできたり、誕生日のご馳走を食べられない際の悲しみ、親が見せるずれた気遣いの痛み。
すべてが分かる。
もうマリアンヌに移入している。
そういう冒頭だった。
風雅様がオススメされたG.D.グリフィス「荒野にネコは生き抜いて」(捨てられたネコが何だかんだ迎えが来るだろうと楽観していたのが、徐々に不安になっていく様子)
もそうだし、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」もそうなのだが、
事件というか本筋に入るのが非常に早く感じる。前置き、キャラ説明がないというか、数ページ後には既に作中世界に入り込んでいるというか。
それに違和感がないのが凄い。
前提知識を共有しているから説明不要というのも、あるんだろうけども。