いや、ガチで疲れました。
今年も【ナツガタリ】のカクヨムミステリー&ホラー小説コンテストに作品を出してみようと思い、思いつきで書いてみた『ふれんどしっぷ計画っ!』でしたが、コンテスト終了数日前にギリギリでなんとか完結!
そういうわけで、裏話を書いていこうと思います。
去年は同コンテスト向けに『怪異撃滅クラブ』を書いてみたところ、キャラクターはどれも可愛く書けたのですが、肝心のミステリ部分のクオリティに関しては納得がいかないところがありました。
これは実は相反する要素でもあり、キャラクター(特に読者に愛されるような心優しい美少女たち)を心がけるほど、ストーリー運びとしては守りに入ってしまい、本当にドギツいネタを書けないなぁというところがあったのです。
そういうわけで、今回は徹底的に最悪の美少女を出すことにしました。
『ふれんどしっぷ計画っ!』の顔とも言える新町古都子です。
この子は言うならば逆怪異撃滅クラブ。
コンセプトとしては「やっちゃいけないことは全部やらせる」に尽きます。
全裸首輪。犯罪隠匿。人肉食。殺人教唆。殺人ゲーム遊び(探偵役)。睡眠薬混入による昏睡。拉致監禁。自殺教唆。ストーカー行為。不法侵入。デスゲーム。
直接的な殺人以外は全部やる勢いですねぇ……。
いやぁ、楽しかった!
一応、描写が過度に性的・残虐にはならないようにはしたんですけど。
それにしたって、あまりにも内容が不道徳すぎるという理由でコンテスト落選になるかもしれないですね。
言うて、ミステリもホラーも基本的には不道徳なエンタメですが。
結果的にはなかなか面白いキャラになったと思います。
ちなみにモデルとなってる名探偵は倒叙ミステリードラマの金字塔である古畑任三郎と、犯罪行為上等の不道徳な銘探偵・メルカトル鮎となっております。
以下、各話の裏話など。
・EpisodeⅠ『VS.EXDREAMER』
サブタイトルの元ネタは仮面ライダーゼッツの最終フォーム・エクスドリームです。エクスドリーマーという形になっているのは、デュエルマスターズ逆札篇に登場する新種族・エクスドリーマーから拝借しました。
ちなみに最終話を除いて、これらのサブタイトルは全て作中で新町古都子が名付けています。このことから、古都子が特撮オタクであることがわかりますね。
このエピソードのモデルとなっているのは、仮面ライダーゼッツに登場する懲役1000年の犯罪者・ジークです。
彼は夢を自在に改変できる明晰夢の力を持っているのですが、なぜかゼッツの世界では夢の世界で明晰夢の能力者が殺人をすると現実の人間も死ぬというペルソナ5ライクなシステムになっているため、ジークはこの力で殺人を繰り返して懲役1000年になっていました。
私はこのエピソードを見ながら「なんで夢の犯罪なんて立証しようがないもの(作中でも存在は公表されていない)で懲役が加算されてるんだよ」と理不尽に困惑しつつ、夢の世界での殺人というコンセプトに魅力を感じてプロットを組み上げていきました。
作中でジョジョのステータスパロディが入るのは、黒沢銀の能力のモデルとなっているのがスタンド能力「デス13」だからです。こちらも夢の中での殺人によって現実の人間を殺すことができる超能力となっております。
今回のシリーズではミステリがそこまで好きではない・長い小説をwebで読みたくない人向けに、ぱっと見で面白そうで、かつ、それぞれのエピソードが単話完結で読みやすい物語にしようと考えていました。
最近ハマった古畑任三郎に影響されて「倒叙」の形式を用いたのも、読者が考えることが少なく済むようにというのと、各話のゲスト犯人に少しでも面白い個性を与えようとしたためです。
犯人をキャラクター化することで、疑似的にゲストヒロインのような形にしようとした狙いもあります。
第一話の犯人として黒沢銀を用意したのは「いや、これゼッツじゃんw」といったツッコミを誘発することで、同好の士が注目する(ネタにしやすい)フックを作ろうとしたわけですね。
結果としては、1万5000文字以内という短い文章量の中にしっかりとミステリ的な驚きと非人道的な倫理観の無さを盛り込んだ上で、主人公の死亡という衝撃的なオチもつけることが出来たので満足しています。
・EpisodeⅡ『In MagicLand』
異世界の回です。
サブタイトルのモデルは仮面ライダーウィザードの劇場版から。この映画はいわゆる「平成ライダー夏映画」の中でも特に大好きで、ラストの「世界を一つぶっ壊した甲斐があったな」というセリフが満足感あるんですよね。本作でもそれをオマージュして異世界を丸ごと滅亡させたかったのですが、尺の関係でカットしました。
どうして古都子を異世界転生させたのかというと、今回のコンテストでは【テーマ】賞が存在しており、これに沿った作品を投稿すると編集者が見つけやすくなるから、とあったためです。
第一話は【テーマ】でいう「特殊設定」であり、第二話は「異世界」になるわけですね。
ミルホワ様については、自己肯定感低めないじめられっ子ヒロインという私の性癖を盛り込みまくり、腹違いの妹であるフリュンから性的ないじめ(倒錯した性愛)を向けられている要素を思い切って入れたところ、読者から好評だったため、以降は意識してサービスシーンを盛り込んでいくことにしました。
また今回は異世界の魔法社会らしく「転生」「現代知識チート」「ハズレスキル」といったお約束の要素を絡めてみたところ、こちらの世界では現代日本では出来ない要素が可能だな……と気づいたんですよね。
「新町古都子は人肉の味を知っている」というアイデアはここで生まれたわけです。
ちなみに犯人の魔法については、異能バトル好きの友人に相談して「現代知識チートできそうなハズレスキルの定番」ということで「アイテムボックス」系魔法はどうだろう?という話になり、使わせていただくことにしました。
この第二話からは路線変更が始まり、「新町古都子という女の異常性が犯人の思惑を凌駕していく」というコンセプトが強くなっていきます。
近年流行りの「ヤバい女ヒロインコメディ」の流れに乗る作品であり、個人的にも自作で一番バズった「シャカパチ妹」の系譜ということもあって、とても書きやすくなっていきました!
そのために第一話の、異常者なりに大人の警察官としての矜持を見せていた新町古都子とはキャラのズレが生まれてしまったのですが……そのあたりは最終話で。
・EpisodeⅢ『Unknown four』
今回のサブタイトルは「未確認4号」。クウガのことですね。
モデルは仮面ライダークウガの作中に登場するゲゲルです。
作中に出てくる殺人ゲームのモデルとなったのはゴ・ブウロ・グがおこなった東京23区を舞台とした連続殺人となります。
この話はある意味で偶然というか、きっかけはミステリ小説の大家・東野圭吾先生の訃報となります。先生が書かれた過去作の映像化作品などを見返していたところ、泣けるヒューマンドラマ的な作品であっても、ミステリ要素の部分になるとやけに殺人パズル的なトリックを用いることに諧謔を感じました。
ここで「二時間サスペンスらしい人情噺の動機を持ちながら、殺人パズル的に無関係な人間を何人も犠牲にしている犯人を新町が追いつめる」というプロットが生まれました。
作中の暗号に東京23区・ボードゲーム・アナグラムを用いたのは、この三つについては私自身が熟知しているため、特に調べものをしなくてもパッと書けてしまうためです。
【テーマ】賞における「職業もの」「ゲーム」回でもあります。
実はこの時点まで連作短編としての大枠としてのオチは考えていなかったのですが、ここで第四話と第五話に繋がる布石を仕込むことを思いついたことで、一本の長編としてのまとまりを意識して書けそうだとなったのは拾い物です。
いかにも悪趣味な刑事ものらしく、お気に入りエピソードになりました。
・EpisodeⅣ『Be The One』
コメディ&お色気回です。
サブタイトルのモデルは仮面ライダービルドの主題歌&映画タイトルから。
このエピソードは執筆時間があまり取れなかったこともあり、作中の固有名詞が片っ端から仮面ライダービルド関連のものとなってしまいました。お暇な人は、どこが該当するか探してみてください。ね。ね。おヒマ?
ざっくり言うと古畑任三郎の傑作エピソードである『間違えられた男』のプロットを流用しつつ、SF設定で顔を完全に変えている犯人を用意することで、犯人と刑事ですれ違いが生まれている――という内容で、全エピソードで最も倒叙らしい回だと思います。
ここで言う倒叙らしいというのは犯人と探偵のかけあいの部分です。
実は、せっかくの倒叙なのにミステリ要素や不健全要素で読者をあっと言わせたい気持ちが先走り、そういったオーソドックスなエピソードを入れることが出来なかった反省でもあります。
全体としては軽めの箸休め的な回です。
唯一【テーマ】賞を意識してない回でもあります。
強いていえば「SF」と言えなくもないですが、やめときましょう。
・Final Episode『Desire Drivers』
最終話。サブタイトルのモデルは仮面ライダーギーツの変身アイテムです。
複数形のsを付けることで「欲望の乗り手たち」という意味を付与しています。
つまりはデスゲームの参加者たちですね。
ちなみに仮面ライダーギーツと言ってはいますが、作中の「12人の参加者」は仮面ライダー龍騎を意識しています。こちらもデスゲームですから。
さらに言うと、それぞれの参加者のコードネームは『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』からの引用に見えて、ネズミ・ウシ・ウサギ・リュウ・ヒツジ・イヌ・トリと、全て十二支に存在する動物から引用されています。(ジャバウォックが竜にあたるというのは原典にはない情報で、後世の創作の引用ですが)
参加者が十二支でゲームマスターがネコなのは、当然ながら仮面ライダーマイスを意識してるからですね。いよいよ明日から放映開始だ。楽しみ~!
さて。【テーマ】賞の「ゲーム」を入れたかったので、今回は本格的なデスゲームをすることにしました。作中でおこなわれる【爪剝ぎオークション】については第四話の執筆中に頭脳バトルに詳しい友人に原案を考えてもらい、それをベースに自分で揉んでいった形となります。
ゲームの攻防については、短い尺ながらも意外性のあるどんでん返しとなっており、出来に満足している次第です。
本筋のデスゲーム部分はともかく、このエピソードは最終話ということもあって「辻褄合わせ」に終始している回でもあります。
・第一話時点の新町はヒューマニズムを抱えていたのはなぜ?
・殺人犯しか友達になれないのなら我妻鏡花も殺人犯なの?
・第一話のラストで言及された超能力者ではない友人って?
こういった未回収の伏線やガバをまとめて舗装するために、ジャバウォックちゃんには獅子奮迅の活躍をしてもらいました。
この場を借りて、お礼を申し上げます。サンキュ!
ちなみにジャバウォックちゃんの「倒置法の口調」「変な一人称」「未来が見える言動」「罪園という姓」は、過去の自作に登場するザイオンXや罪園リアムやアナエルといったヒロインたちの系譜に繋がる要素です。
裏設定では、彼女たちの同型機の一人が脱走して市井に溶け込んだという感じになってます。
とまぁ、こんな感じでしょうか。
内容的には面白いものが書けてよかったなぁという。
色々とひどいので、コンテスト受賞は無理かもだけど。
その場合は雑魚なのは私ではなくコンテストの方なので、見る目があると信じましょう!
そういうわけで、連載にお付き合いいただきありがとうございました。
えっ、まだ読んでない?
私の近況記事なんか読んでるのに?
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というわけで、秋野てくとでした。
あと、新町古都子のことはいけない目で見てるので、エロ系の二次創作とかしたかったら全然いいですよ。むしろありがたいです。血が出るのは可哀想だけど、ダルマくらいなら……。髪型は毎回変わってるから適当でいいですし。体型は合法ロリ設定の成人女性ですが、うすほそでもロリ巨乳でもどちらでもいけます。
そんなわけで脳内ビジュアル置いておきますね!↓(アレンジ自由)