表題どおり、なんと、カドカワBOOKSファンタジー長編コンテストで中間選考を突破しました。
おとカドが。
嬉しいもあるんですが「マジで?」という思いが強く、なんだか狐につままれたような気分であります。
というのも、こちらのコンテストについては「期間が合っているから、ダメ元で登録だけしておくか」といった感じでして。
コンテストの応募要項でも求められている作品例として「定番の異世界転生や令嬢もの」といったことが書いてあったため、保守的な印象が強かったのも一因です。
拙作『おとカド』は、かつて週刊少年ジャンプで連載していた『遊☆戯☆王』のような「原作となるゲームが存在しない架空のカードゲームによるバトルと駆け引きを描く」作品であり、漫画媒体では『カードの王様』『カオシックルーン』といった先行作もありますが(近年では『カードゲームうさぎ』のブームが記憶に新しいです)、ライトノベルという媒体では成功例はほぼ存在しない新規ジャンル――前例の無いジャンルであるため、保守的なコンテストの場合には評価されることはないだろうと考えていたからです。
これは嬉しいですねっ。
で。中間選考に残ったという話はTwitter(現:X)のフォロワーさんに聞いたので、自分でも確認すべく選考のページに行ったところ……思っていたよりも膨大な数の作品が突破していたので、Ctrl+Fで検索ウィンドウを開き「カード」で調べてみました。すると――
「あ、あれ? ずいぶんとヒットするな???」
なんと、拙作の他にもカードゲームを題材にした小説が中間選考に残っていたのです。
これは……つまり、ライバル!
そういうわけで、軽くリストアップしてみました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093078663618499『ソウルバインダー ~TCGアニメで主人公を助けるハードボイルドキャラに転生したので前世の知識を活かして鬱フラグをへし折る~』
内妙 凪
こちらはカードゲームアニメの便利キャラに転生してしまった、というコンセプトの作品のようです。拙作で言うと、聖決闘会のドネイトくんみたいな感じでしょうか。
https://kakuyomu.jp/works/16817330656280179152『元カードゲーマーの異世壊ぶらり旅』
原純
こちらは元カードゲーマーという点を推した作品で、どうやら主人公は不幸な運命にある物語のようです。YP的にはタイトルの「世壊」に遊戯王あじを感じてしまいますね。幾星霜……スタフロスト……。
https://kakuyomu.jp/works/16817330648045061565『どうやら世界の命運はカードゲームが握っているらしい』
てしモシカ
世界は一枚のカードから生まれた、という導入の異世界転生。カードゲームではよくあることですね……。主人公が転生先の知識に疎いところや女の子なところなど、少しシンパシーを感じるあらすじの作品です。
他にも「カード」でヒットする作品はあったのですが、カードゲームではなく異能力としてのカードを使うファンタジー作品のようでした。
それにしても、三本。おとカドを含めれば四本です。
カクヨム全体でカードゲーム小説がそこまでメジャーというわけでもないのに、このコンテストだけでカードゲーム小説が四本も中間選考に残っているということは――五条悟が生まれてから、世界の均衡が変わってしまったのかもしれませんね。
https://kakuyomu.jp/works/16818093075311009331『カードゲームで世界が滅ぶ世界に転生してカードショップを開店したら、周囲から前作主人公だと思われている』
暁刀魚
そう、こちらの作品です。(以下、前作主人公~)
CMや広告でもおなじみの書籍化作品、すでに人気で続刊も決まっているというこちら。おとカドとは同時期に連載を開始した作品でして、私も密かに意識しているところではあります。
前作主人公~の人気を見て、カクヨムが架空カードゲームを題材にしたWeb小説に注目をしているのかもしれない……今回のコンテスト結果を見て、そんな印象を抱きました。
とはいえ、おとカドの作風は正直なところ、ブームとなっている作品群とはズレたところにある気がするので……それが功を奏するかどうかは、評価者次第といった感じです。
今月は小説家になろうの「ネトコン12」もあり、個人的にはそちらの方でおとカドが残れるかどうかが気になっていますが……こちらの投稿数が3166作品だったのに対して「ネトコン12」の投稿数は20000作品以上なので……読まれてたらラッキー、ぐらいで実際には読むまで行ってない気もします。
ともあれ、今回の中間選考突破は読者の皆様の応援あってのものです。
というか、応援が全てです。
面白いなんてことは書いてる私が一番よく知っているし、これまではいくら面白いものを書いても箸にも棒にも掛からなかったので……応援が嬉しいんです。
これからも、おとカドをよろしくお願いします。
目指せ、受賞!