(前回の続き)
続けて、第二話の敵デッキ【四風LOループ】を解説します。
初心者がやられて嫌なこと、ということで、ハンデスの次はデッキ破壊(ライブラリ・アウト)をモチーフにすることにしました。
【マーセナル】では「初心者視点からすると何をされているかわからない」ということを展開時のイメージとするため、あえて複雑な手順でデッキを回していましたが、TCG経験のある読者さんから「これ、上振れで回ってるだけで運ゲーじゃね?」「っていうか、イカサマしてねえか?」という感想があったので、その反省を活かしてこちらでは実用的なレベルのソリティアデッキにすることにしました。
(そのせいで、読者さんの計算によると先攻1キル率は引き直し無しでも20%超えてたみたいです……このデッキはカスや)
デッキのモチーフは「鳥のモンスターが次々と展開していく」というイメージやアバターの名称は遊戯王OCGの【BF(ブラックフェザー)】を意識しています。
「東西南北」がモチーフとなっているのはアニメ映画『トラペジウム』の影響です。
では、各カード解説です。
《四風院冠帝廟《しふういんかんていびょう》》
風エナジーを生む特殊地形で、このデッキ最大の問題児です。
【四風】アバターを出すたびにリロールして、ふたたびエナジーを生むことができるようになるので、コストの概念が崩壊しています。
カード名のモチーフになったのは関帝廟。三国志の武将・関羽が神格化された中国の神様「関帝聖君」を祭る施設です。
《極東風のメリア》
《偏西風のフォージ》
《北方のグランベット》
《南方のエステリカ》
【四風】を構成するバードのアバターです。
メリアをキャストするとフォージ、フォージをキャストするとグランベット、グランベットをキャストするとエステリカ、エステリカをキャストするとメリア、という風に循環していく作りです。
遊戯王OCGにおける【ガジェット】がモチーフとなっている動きですが、今なら『鬼滅の刃』のヒノカミ神楽と言った方がわかりやすいかも。
それぞれフィールドに1枚しか置けない制限があるので4体までしか並びませんが、コストにするなりしてフィールドからどかせば再び展開できるので、事実上の無限コストになります。頭おかしい……。
カード名は発音した場合の響きを優先して付けました。東と西、北と南で微妙に命名規則が異なるのは、当初は東と西だけが刷られて、後にテコ入れとして北と南が刷られたというのをイメージしています。
《東奔西走《とうほんせいそう》》
【四風】のサポートカードです。どうやらフィールドの【四風】に対象にならなくなる効果を付与するらしく、お兄の《サーチ・ガードナー》による妨害を貫通しました。
こちらも【マーセナル】の《|突然の不幸《サプライズ・アンフェア》》同様に、エナジーを支払ずにキャストしていますね。どうやら、こちらもエナジーをロールせずに使えるカードなのかな……。
カード名はそのまま「東奔西走」から。この言葉、響きが良くて好きなんです。
《|三羽烏の集い《トライブ・エアレイド》》
ゼロ・カウント・ディビジョンでデッキから大型バードを踏み倒すカードです。カード名は「三羽烏」と効果からイメージされる「トライ」と「トライブ(部族)」をかけてネーミングしました。エアレイドの部分は響きです。
カードのモチーフとなったのは、発動条件の方は遊戯王OCGの《デルタクロウ・アンチリバース》、効果の方はデュエルマスターズの【ファイアーバード】におけるバード・メクレイドによる大量展開を意識しています。
《ネオクラリック・フェネクス『|華死鳥451《フォー・ファイブ・ワン》』》
このデッキのフィニッシャーです。
場のバードをデッキに戻すことで、墓地のカードを手札に回収しつつ相手のデッキを戻した数だけ削る効果を持っています。
イメージとしては「重すぎるコストと盤面に干渉しない効果によって、長らくカスレア扱いされていたが【四風】の大量展開によってコスト面が改善されて一気にガチになったカード」というのを想定しています。
メルカリでは300円⇒5000円に高騰。
そのため、古代中国や和をイメージさせる【四風】とは全く異なる雰囲気のカード名にしています。
カード名のモデルはディストピアSF作品から『マトリックス』の救世主ネオ、『リベリオン』のS級クラリック、『華氏451度』から「451」を取ってミックスさせました。
個人的にはモチーフも響きもかなりお気に入りのカードです。
ついでに、第四話で言及された【四風リペア】関連のカードについても解説しましょう。
《ボッカネグロの建築術》
こちらは規制前から【四風】で使われていたカードで、どうやら特殊地形をサーチすることで《四風院冠帝廟《しふういんかんていびょう》》を水増しする役割で積まれていたようです。
流石にノーコストではないはずなので、こちらから始動した場合には1ターン展開が遅れると思いたいですね。
カード名のモチーフは『黒死館殺人事件』における魔導書・ウイチグス呪法典が影響を与えたとされる「ボッカネグロの築城術」です。あえてカード名の雰囲気を【四風】からズラすことで、尖った1キルを成立させるために構築を歪めてテーマ外のサーチカードを積んでいる、という雰囲気を出しています。
《鳥獣ギガ》
リペアされた【四風】の新たな主力です。
フィールドのバード4体を除外することでデッキからコスト無しで唱えることが出来て、さらに除外されたカードを1枚手札に戻す能力を持っているようです。
本来はメリアが規制されて1枚しか積めなくなったことで無限展開が出来なくなったところ、メリアを使いまわしつつ展開できるこのカードによって盤面を伸ばせるようにしたみたいですね。
メリアは禁止しといた方が良かった。
カード名のモチーフはそのまま「鳥獣戯画」です。
《|次元渡りのカラス《ジャンピング・レイヴン》》
《|H《ハイ》-エナジー・ジャンプ-》
除外領域を利用して何やかんやするカードです。この辺のカードがどういう効果なのかは私も理解してないです。
この辺はモチーフもなく響きだけで付けました。
強いて言うなら遊戯王OCGの《異次元の一角戦士》、というかアンドレの【除外シンクロ】戦術かも。
《頂上王鳥バード・キング》
《|空飛ぶ《フライング》チキンワッパー》
バーガーキングです。
【四風】については以上です。
次回は【語法パーミ】と主人公であるお兄のカードを解説します。