読み合いではありません。
世の中には難解な小説というものがあるようです。
例えば、芸術性の高い表現を多用することで読み手に難解さを感じさせるもの。ある意味では独りよがりな作品ともいえます。わかったつもりの読み手の解釈も作者と噛み合わない場合が多いという、いわゆる芸術作品などによく見られる自己陶酔型。
あるいは特定の分野について深い造詣を持つ作者による、素人に遠慮のない作品。一般的とは言い難い用語をろくな説明もなしに使用することで、いかにも玄人っぽさを演出します。これに類似するのが、オリジナル用語が頻出するタイプの作品。設定の緻密さを演出したつもりが、実は読み手を疲れさせるだけという悲しい結末。
いずれにせよ、難しいものを難しく表現することはちょっと調べたりすれば割りと簡単にできてしまうもの。大変なのは、複雑なものを誰にでもわかりやすく伝えること。具体的にいえば、何人ものキャラが会話をしているシーンで無理なく発言者の区別ができる、あるいは込み入った状況下でキャラの心情や言動が過不足なく読み手に伝わるなどといったもの。ようするに、作者の文章力や表現力がものをいうわけです。
ただしここで気を付けなければならないのは、伝わりやすさと稚拙さは別物であるということ。特に崩した日本語を用いるラノベでは、その違いを理解できない作者がいるので注意が必要です。極端な例だと、セリフの上にキャラ名が書いてあるものまで。それって小説じゃなくて、もはやただの台本です。
さて、そこでこの企画では「複雑な状況も伝わりやすく書かれた物語」を募集します。ストーリーや設定、キャラの心情描写など、けっして単純ではないが、それでもすんなりと読めてしまう。どのキャラの言動か迷うこともなく、その情景が映像として目に浮かぶ。そんな文章力や表現力を駆使した作品を置いていってください。
フィクションを対象としますので、エッセイや創作論は対象外とさせていただきます。
参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「複雑な状況も伝わりやすく書かれた物語」を選択してください。
このイベントの参加受付は終了しました。ありがとうございました。
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