「高齢者介護」を含む小説

26歳の僕は、「まだ若いんだから、将来をしっかり考えなさいな」と、人からよく言われるほど、何も考えていない。ただ、今を生きているだけの僕に、テル子さんはいつも、不可解なメッセージ…

アパートの自室で熱中症で倒れた義母の周りには、俳句ノートと主人が中学時代に使って国語辞典と国語の教科書が散らばっていた。それが私が義母の俳句に出会ったきっかけだった。義母が作った…

仕事の中でもブラックと言われる介護業界。とある地方の病院に入社した私を待ち受けていたのは、その介護業界の中でもブラック企業だった。30代で若手と呼ばれる介護の世界の中で、私を待ち…

僕の家族は、ちょっと変わっている。母ちゃんは、いない。ほんの何年か前に、家を出ていった。足の悪いお婆さんと公務員の親父。ダウン症の兄と昔は、すごーく厳しかったけど、認知症になった…

新島村新、独身。保有資格-介護福祉士、自動車免許。ケアマネジャーの試験を目指している。しかし、長い道のりなので先はどうなるかわからない。好きな歌手-中島みゆき、荻野目洋子。趣味-…

父・修治の認知症の発症のため、突然、男性介護者となってしまった息子の修。夫に愛情のない母の澄江は、介護を息子に丸投げしている。そんな折、修は勤めていた予備校から退職の勧告を受ける…

このお話は実際に経験したものや聞いたことなどを元に描いたものです。 フィクション入ってますがエッセイということにしてます。 福祉に携わる人にとっては共感できる部分があるのではな…

ここ数年は特に聞くようになった、高齢者による車両事故。 それによって失われた命を思えば許されることではなく、決して擁護していいことではない。 しかし、それでも高齢者が車を乗るのに…

「自分を引っ張ってくれるような存在があればなぁ」 　久我紬希（くが　つむぎ）は、自分と外の世界とを繋ぐための何かを求めていた。 　そんな彼女は登校中、「魔法少女」を目撃する。 　…

この冬で八十三歳になるおばあちゃんは、時々タイムトラベラーになる。 過去にしか行けないタイムトラベラーだけど。 祖母との思い出を綴りました。

私、松武こうめは、巨大な新興住宅地に住む専業主婦。 そこは、日々繰り広げられる住人たちの人間ドラマが渦巻く世界。 結婚相手の親（親族）が、 たまたま問題のある人だった場合、 そ…

高齢者介護施設で働く蓮江は、代わり映えのない日々に疲れはてていた。 そんなある日、施設内で小さな千日紅を拾う。 それは一人の高齢女性へと届けられた淡い希望。千日紅に込められた…

8６歳の父が夏に亡くなりました。その3か月後、87歳の母が後を追うように亡くなりました。 もっとああすれば、こうすればなんて、今更変わりようもない事を考えています。 ぱんぱんに膨…

認知症を患う老父と、その介護に疲れた娘、そして通りすがりの若い女性が織りなす、ほのかにハートフルな小話です。

姥捨山。 もしそれがまた復活して、しかもこれを書いているわたし自身も捨てられる対象となったならば。 それはこの世の地獄でしょう。

私は今、ベトナムのハノイで暮らしています。 この話は6年前、まだ、日本にいる時に書き始めたものです。当時、私は墨田区になる高齢者施設のデイサービスで働いていました。 現場は壮絶な…

福祉系専門学校に通い、介護福祉士を習得して3年目。仕事中に感じる言い様のない不安感。仕事前、寝る前に溢れる理由のない涙。 苦痛に耐えられず、覚悟を決めて行ったメンタルクリニックで…

老人介護施設で働く岩田ユリエは、なんとなく働き始めてもう１０年。離職者の多い現場ではもはやベテランの域だった。高齢者の入浴、食事等を行うデイサービスに、最近イライラすることが多く…

福祉に対して、人々の持つイメージは概ね、良いと思います。 だが、その実情はあまりにドス黒く、知ってしまえば、とても福祉に携わる人々を手放しでは賛美出来ないと思います。

最近、テレビでは、老人ホームの必要性を必死に唱え、首相も何かの気の迷いか、それまでの厚労省の在宅サービスへの方向性を無視したような事を言う昨今ですが、世の中の人はどれだけ、老人ホ…