「第３３小説大賞 短編」を含む小説

平安時代末期・源平合戦。 この有名な合戦で、源氏は平家を滅亡へと追いやった。 そんな武将たちの記憶を持ちながら、今を生きる中学生たちは、現代でも源平相見えます。そんな彼らが今世で…

新人不動産営業の椎名灯は、売れ残った古い家の調査で、奇妙な少女と出会う。 桃色の着物に金色の髪、古風な口調で「わらわ」と名乗るその少女は、春日小町。 押し入れや仏間からひょっこり…

　効率化された日常に疲れた都は、ある日、路地裏の不思議なカフェ「カフェ・リメレンス」を見つける。 　店主の柊は、客の心を見抜き「処方された昼寝」を提供する。『ラベンダー畑の夢（…

　宇宙には、星の死を看取る者がいる。 　星喰い——死にゆく恒星の光を食べ、その命を新たな星の種として還す存在。彼らは宇宙の葬送者であり、産婆であり、誰にも感謝されることのない孤…

　二〇四八年。量子コンピュータが実現させたのは、並行世界の「もう一人の自分」との出会いだった。 　孤独に苦しむプログラマー・結城ユイは、量子自己接続プロトコル（QSP）を通じて…

　わたしには名前がある。 　それはシズク。 　意識を持つ、たった一滴の水。 　三十五億年前、わたしは原始の海で目覚めた。 　以来、わたしは地球のすべてを見てきた。 　三畳紀の…

　故郷を飛び出して冒険者になったけど、いまいちパッとしない。恋人とも最近ちょっと上手くいっていない。 　そんなとき、俺の心が折れる事件があって。 　俺は冒険者を諦めて故郷に帰った…

〈あらすじ〉 　8万年後の世界。アスカリスという少女は、不思議な夢を見ている。 　いつも同じ内容の終末の夢。アスカリスにとてもよく似た女の子が出てくる。女の子はいつも、何かを呟…

闇の政府は動物実験を繰り返し、兵器と成り得る生命体の開発を進めていた。 そんな中、光の感情を持つ１匹のワンちゃんは、飼い主や人類のために闇の攻撃者と対峙する。

あらすじ 主人公である黒瀬蓮太郎。顔はそこそこ整っており、学業も非常に優秀と非の打ち所のない生徒である。 しかし、優秀であるが故、日々高校生活を送る中、何処か日常に退屈さを感じ…

　隣の世界のオオサカで殺し屋を営んでいるテルは、今日が相方だったハルトの命日だったと気づく。少し面倒だとは思いつつ、墓参りの準備をするテル。住んでいるハイツから出て大家さんと少し…

　三百年を生きたエルフの魔術師リセリアは、感情を知らなかった。 　永遠の時を持つ彼女にとって、一日は無数にある日々のひとつ。人間は観察対象でしかなく、愛も、涙も、遠い概念だった…

とある女性が、死んだ幼馴染に向けて綴った回想の一節です。 なんで君は死んだのか？ なんで写真が嫌いだったのか？ 拍手の音を本当に聴いたことがあったのか？ 主人公が理由を探して…

　2088年。量子コンピュータ技術により、死者の意識をアップロードできる時代が到来した。 　大学生の水無月ハルは、最愛の祖父・太郎を失う。 　量子輪廻システムによって、祖父の意…

　山道で殺人現場を目撃した女子高生・白河瞳は、念動力を操る殺人鬼・神代麗華に追われる。逃げ込んだのは、幼少期に入院していた廃病院。瞳が持つ唯一の武器は、完全記憶能力――一度見たも…

　三十八歳の冬、冬野葵は生きることに疲れ果てていた。 　夢は潰え、愛する人は去り、大切な人は死んだ。 　もう何も残っていない。 　もう、死のう。 　そう思った夜、彼女は不思議な…

憧れの彼女はボロいぬいぐるみを持っている。彼女は毎夜、それにキスとハグをして寝る。そこに入れ替わる俺。――控え目に言って最高か？！ しかしそこに現れるは……イケメン化した、俺の体…

　三十八歳の派遣社員、城戸俊輔。すい臓がんの余命宣告を受け、無気力な日々を送る中、やがて彼は破壊的な行動に走る。罵声、石投げ、個人情報晒し……死の影が心を蝕む。 　ある冬の夜、…

異世界へ転生し、魔女として瘴気浄化の職務に就いている主人公。 そんな彼女の転生前の姿は、精神科に通院しながらカウンセリングを受けることで自分の”死にたい”という気持ちをずっしりと…

　死に場所を求めて雪山を彷徨っていた十七歳の少女、佐薙真琴（さなぎまこと）。凍てつく夜、彼女は力尽きて倒れた。 　目覚めたのは、見知らぬ古い日本家屋。そこには、七十八歳の老人・…