宇宙というどこまでも大きく、どこまでも果てしのない存在。その中で私達は生きている。この物語では、その宇宙のシステムが擬人化(正確には人ではない)され、そのシステムと等身大の人間との交流が描かれる。そしてその交流を通じて、システム自体にも変化が生まれる、というストーリーだ。人間を軽く超越した存在が人間の影響を受けて変化する、というのは王道ではあるが、作者の筆の力もあり、とても心地よい読書体験だった。宇宙、というモチーフの選択もとてもしっくりきていて、星喰いという設定に違和感を感じさせない。
地方住みの身としては、イオとそのお婆さんのキャラクター像がとても魅力的だった。根っこを張って生きる、という言葉に説得力を感じる。自分もそうありたいと思った。
長々とすいません。美しいお話でした。素敵な物語をありがとう御座います!