「というわけではないかららしい」を含む小説

その日、妹の栄養ドリンクを飲んだーーー まさか、これで怒るわけでもないと。 私の考えと行動は甘かったとそのあと反省することになる。

家庭は普通だし事件に巻き込まれたとかトラウマがあるとか、別にそういう特別な事情があるわけではないのだけれど、私は何か、人生に対して酷く絶望している。

生きていると出会いたくもない人間との出会いがあるし、離れたくない人間と離れなくてはいけなくなる。 「だから僕は一人がいいんだ」 　 佐伯は静かに言葉を落とした。俺には一瞥もくれ…

好きな男が自殺した。 とはいえ、何が変わったわけではない。 別に彼がいなくたってお腹は空くし夜は眠い。楽しい事や嬉しい事が尽きたわけでもなく、来月に行く名古屋旅行は今も待ち遠し…

[あらすじ] 　今年十六歳になる柊透(ひいらぎとおる)は期待に胸を膨らませていた。 彼がこの春から通うのは、最新鋭のVR技術が活用されたわが国最先端の高校であるからだ。 しかも驚…

エゴサをするが俺の名前はヒットしない。 何故か。何もしていないからだ。 何かしたいわけでもできるわけでもないが、誰かに認められたい気持ちはある。Xでいきなり赤の他人から「君ってさ…

ドワーフの自称インテリ戦士バロル。 ルーンフォークのメイドで魔動機術師のミラカン。 欲望（書籍系）に忠実なバロルと、そんなバロルをご主人様設定したメイドのミラカンが、尻を蹴り上…

昔々、そう語るほどではないある時代、一人の魔女がいた。 　不老不死でなければ、空を飛べる箒を携えているわけでもない。 　頭に尖った帽子もなければ、そばに黒猫もいない。 　それでも…

ポチョムキン村とは、実際には存在しない「見せかけの村」のことです。 18世紀、ロシアの女帝エカチェリーナ2世がクリミアを視察した際、寵臣ポチョムキンが荒れた土地を隠すために、き…

学もない、才もない、他者の目を惹く美貌もなければ、抜群の運動センスがあるわけでもない、しかしだからと言って、何かが致命的に劣っているわけでもない、平々凡々な私。 そんな私は、ある…

光魔法(ひかりまほう)闇魔法(やみまほう)聖魔法(せいまほう)の三つがある世界。 体が弱いリンクスは忌避される闇魔法の使い手で、幼馴染の魔法騎士団の団長で光魔法の実力が抜きん出…

十二歳の誕生日、村の祈祷所で「発現の儀」を受けた少年は、胸の裏側で若い女の声を聞く。 名は【ヘルプさん】。 問いかければ答えてくれるが、万能ではない。 天気予想は外れるのに、樫…

家とか友達の前とかって、本当にしょうもないことでも、ワイワイ出来ますよね。 でも、そんなに頭に残るわけではない、けど、その時間を過ごしている時は、最高に楽しい。 そんな、「日常…

ーーじゃあ、好きっつったら付き合ってくれんの。 呪いの言葉を残して、陽介は屋上から姿を消した。

この話は、勇者パーティーの一員であったブルーノが綴った、ただの思い出話である。お伽話みたいに華やかでもないし、楽しい冒険譚というわけでもない。ただのお喋りな老人が書いた、戯れ言で…

生活保護をいただいている。 頭が常になにか詰まっているようで動けず、食事や排泄さえも億劫になり、このまま死んでしまおうかというタイミングで知人に知られ、申請からなにからの面倒を…

やっぱり深夜は寝れない。 特に夏休みなんて眠ることは不可能だと考えていいだろう。宿題はやらず、楽しいことをして、夜ふかしをして、そんな毎日を過ごすのだから。 ここに、一人の少年が…

La’i ke keha o ka nohona 平穏な人生はすばらしいもの

「さて、困った」 　机に並べた夏休みの宿題。どれも完璧にやり尽くしたはずだったが、絵日記がある事をすっかり忘れていたのだった。まさか初日から終わりまで一切書かれていない日記を本…

『力』を持つ高校生の少年は女神によって異世界へ送られた.........だが、待っていたのは残酷な異世界だった。 異世界へ転生する者が必ず成功するわけではない、どれだけの力があろ…