魔女は一本の幸せ屋

文字捨て場の海鼠

幸せ屋

『辛』さでも、たった一本の線を足せば、それは『幸』せになる。


 それは遠い異国の文字遊びらしい。

 彼女が幸せ屋を始めてまだ間もない頃、旅先で聞いた話だった。

 あなたにぴったりね、大層もてなしてくれた依頼人の老婦に言われて以来どうにも胸の中に残って、今では仕事の宣伝文句にまでなっている。


 彼女は幸せ屋。


 辛さを幸せに変える一本を届ける、幸せ屋だ。

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