ねじれた渦

学もない、才もない、他者の目を惹く美貌もなければ、抜群の運動センスがあるわけでもない、しかしだからと言って、何かが致命的に劣っているわけでもない、平々凡々な私。
そんな私は、ある日突然、五年勤めていた会社を辞め、実家に帰って来た。
数日は引きこもり生活を送っていた私だが、ふと外を歩きたくなり、九年ぶりの地元を散策する。そしてその内に辿り着いた。地元で一番思い出深い平屋の前に。そして思い出した。その家にいる、ちょっと特殊な「友達」のことと、その「友達」と巻き起こした、人知れぬ事件のことを……。