「平安」を含む小説

平安時代、廃れてしまった都に一人の童がいた。人を殺すことでしか生きていけない惨めな童。そんな最中であったのは、眩いばかりの光であった。

　“山賊峠の鉈女” と呼ばれる都市伝説を調査する、高校生二人。 　深夜の廃墟で二人を見つめる双眸。そして、絶叫が響き渡る。これが物語の幕開けであった。 　 　高校生ロックバンドの…

藤原泰衡。 後年英雄源義経を殺した男としてあまり評価のよくない武将である。 彼はなぜ、源義経を殺さねばならぬのか。そして、そんな彼が最期に見たものとは。

　時は平安、京の都。 類まれな美貌を持って生まれた権門右大臣家の姫・棠棣《はねず》は、許婚である惟征のもとへ出向いた夜、方違えで泊まった屋敷で神を見た。夜刀神《やとの》と名乗る彼…

◆あらすじ◆ 　雅やかで、けれど仄暗さをその輝きの裏に隠した平安時代。今は亡き先の帝の内親王、都子は恋というものを知らなかった。 　それがどれほど心を焦がし、熱くさせるかを―― …

式田紫（しきた・ゆかり）、大学教員、30代半ば。独身、恋人なし。 教壇では、日本古典の恋愛文学を教えながらも、自分自身の恋愛経験は……なし。 なぜなら、現実の男性と付き合うよりも…

時は平安…朱雀天皇の御世。 その頃の都は魑魅魍魎の跋扈により政の機能が低下していた。 事態を憂えた帝は陰陽寮に事態の収拾を指示し、命を受けた陰陽寮は安倍晴明に一任した。 それ…