「だとしても和風」を含む小説

記憶喪失の少女があの世とこの世の狭間、彼岸花が咲き誇る“追憶の地　蘇芳”で出会ったのは、“彼岸の送迎人”と呼ばれる孤独な送り人の青年　ヒガンであったー 記憶が戻るまで、ヒガンの…

夜ごと墨を擦るたび、彼女は涙を流す―― 硯に宿る女・綾女と、書家・宗太郎の魂が交錯する幻想譚。 墨と筆、魂と記憶が織りなす、静かで妖しい儚い記憶。 綾女の涙が尽きるとき、…

※広い心で、面白く読んでやってください。 ※フィクションです。

極東の島国で妖の王を討ち取った青年トキは、そのとき自身もまた死に絶えたはずだった。気がつくとそこは、故郷より遥か西に位置する異国の地。持ち物はトキの仕えていた姫の薙刀のみ。 「…

「旧世代の弊害を取り除け」との掛け声の中、時の政府は海の向こうにある国から人を招いて、他国への「追いつけ追い抜け」政策を推進した。 優秀な異国人を国内に留めるためには結婚だと、妙…

愛されないことなんてとうに知っている。私は弁えている。だってあの人は愛した人がいるのだから──常に喪服のような黒着物を纏い忌み嫌われる令嬢、野菊(のぎく)。周囲から優秀だと認めら…

何百年も前から続く村の伝統は、海神様に妙齢の者を花嫁という生贄として差しだすことだった。 わたしは同級生におされて花嫁として送りだされた。 花嫁の最期は語られていない。物騒なこと…

　いつか、私の想いがあなたに届きますように──── 　変わったっていい。 　ただ、そのままのあなたでいて。 　そして、たまに思い出してほしい。 　私達が、どうして歌を残した…

月のあかるい晩の浜には、ふたりの童子が鞠とともに舞うのだと、幼いころに聞いた物語。 情念にとらわれし三人の果てを描いた、和風幻想掌編です。

　家の失脚を狙う天狗の山緑菖蒲と、自分の実際とその像の乖離に悩む立花咲良。これは、二人が心を通わせるまでの、長くも短い物語。

養女として育った本條文緒（ほんじょうふみお）に持ち込まれた縁談の相手は、かつての最強呪術師・綾羅城空黎（あやらぎくれい）。 だが彼は妖に刻まれた呪病に侵され、余命一年を宣告されて…

ちょっとだけ人と違う物が視える体質の翠。その原因も正体も分からぬままに、全てを気のせいだと言い聞かせながら、家族とも距離を置いて淡々と生きてきた。 あるとき翠に舞い込んだ見合い話…

顔に青い痣を持つ霊力のない赤目の少女 彼女は幼い頃から虐げられ、家族からもかろんじられてきた しかし、ある日現れた狐の神は言った オレが望むのはお前だと いつかの来世では幸せにな…

妹の十八歳の誕生日、姉は妹のための生贄となる――はずだった。 楠宮あずさは退魔師の家系に生まれながらも、たいした術を使えない落ちこぼれ。 ある日、彼女は寝ている間に妙な儀式に巻…

茶屋”水天一碧”の店主、神谷水聖は咲羽町のちょっとした有名人だった。なんでも彼女に悩みを相談すればたちまち解消され、困り事があればすぐに解決してくれるらしい。いつでも美しい笑顔を…

●あらすじ 火刑寸前の伯爵令嬢リンを救ったのは白き人狼王ユキ。幼い誓いが甦り、二人は契約結婚へ。反発渦巻く人狼社会で“神鈴”が目覚め、蒼雪が降るとき、契約は恋へ、恋は誓約へ変わる…

小大名である三塚家にはふたりの姉妹がいる。 姉の名は蓮華。 幼い頃より三塚家の後継者として厳しく育てられた。 妹の名は六花。 幼い頃より可愛らしかったため、父に溺愛され甘やかされ…

帝都で暮らす住吉紫乃は異能を持たないながらも義父とともに道具屋を切り盛りし、家を支えていた。 そんな紫乃のもとに、異能御三家の一つである天宮家の次男・結月との縁談が舞い込む。目上…

緋夏は不吉の象徴である赤い目をした少女。『忌み子』と呼ばれ、家族からも虐げられてきた。 緋夏を邪魔に思った家族は、白竜の生贄にして消そうと画策。 家族の思惑を知りながらも、前途を…

日本と酷似している世界「裏日本」。 この世界で貴族に生まれ育った九条灯《くじょうあかり》はオリジナルの世界である「表日本」の男と契約結婚させられることに。それは九条家が王族に恩を…