「手を伸ばして」を含む小説

〝香〟が最も価値あるものとされていた時代。 特異な“香”を宿す少年・朝峯（あさみね）は、家のために【器】として育てられた。 身体を調律され、香に従い、いつかその身を献上されるこ…

やりたい事や夢があるのに、それを奪われ踠き、乗り越えては立ちはだかる様々な形の壁。 若かった僕らはそれでも小さな光に手を伸ばし、歯を食いしばり抗い続ける。 無情な現実、病、生と死…

鐘の音に囚われた僕の前に現れた真っ黒なあいつ。 何も語らず、じっと僕を見つめる。 果たしてあいつの正体とはーー。 一人の少年の、モラトリアム期の微妙な感情の揺れを描く、短編物語。

――兄貴が、異世界に旅立った。 それでも俺の日常は続いていく。兄貴が消えた後始末に追われながら、年上の幼馴染である小春との関係にも変化を迎えながら。 これは、俺の物語。 兄貴が異…

42歳、独身。静かに暮らす飲食店店主・拓也の生活は、 隣室から聞こえた“泣き声”で静かに揺れ始めた。 22歳、アパレル勤務の美咲。 恋人と同棲を続ける日々の裏に、誰にも言えない…

甲子園常連校として全国に名を轟かせる私立・東雲学園硬式野球部。地方の有望中学生たちが「夢の舞台」を目指して集まるこの場所は、きらびやかな栄光の裏に、誰も口にしない暗い影を抱えてい…

ガタガタの生活から生まれた短歌です。少しでも笑っていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。

目を覚ました時、少女イレイナには記憶がなかった。視界は曇り、左右の瞳は異なる色を帯び、首には決して解いてはならない包帯が巻かれている。声を発しようとすれば喉は凍りつき、言葉そのも…

【通常あらすじ】※ネタバレなし 僕は、宮城碧。小学五年生だ。 小さい頃から知らないことを知るのが大好きで、毎週土曜日の午前中は図書館に行くのが楽しみなんだ。 いつものように幼馴染…

ファンタジー小説が好きな芹澤将太は、トラックにひかれ、自分の子供の頃に夢見ていたファンタジーの世界に召喚される。しかしその召喚された先の異世界は、将太の嫌いな設定ガバガバな糞ファ…

過去に縛られている少年、蔦森善吉は、 罰ゲームの一環で、少女に告白した。 名前は――恋仲ひな緒。 声を持たず、喋ることができない少女だった。 冗談のつもりだった。 …

手を伸ばし光に触れて閃光が届く一秒先を見つめて 銀河のきらめきと無重力の世界をイメージしました。 この物語の『君』を、私はいまでも探し続けています。

永遠に終わらない夏。 そんな幻想を追いかけて手を伸ばして。 それでも時間は進んでいく。 掌で留めておけるのは涙だけみたいだ。

「ねえだいじょうぶ？」 そういって俺の顔を心配そうに覗き込まれる。 「ええだいじょうぶですよ」 俺は無理やり笑みを作る。 「なあ行くところがないなら我が拾ってやろうか」 …

故郷、家族、尊厳。 十一歳のあの日、アイサはすべてを奪われた。 それから七年、アイサは反乱に乗じて騎士の殺害を試みる。 しかしそれは失敗し、死の間際、空に手を伸ばしたアイサの血…

乙女ゲーム『ウィザードプリンスさま♪』のイヤみな悪役教師、ヴァン・レインに転生した俺は、既に破滅フラグが発動済みの悪役令嬢、アリス・エドガーが見捨てられず、手を伸ばしてしまう。 …

誰もいない教室で、モップがひとりでに動いた。 それだけのことなのに、私はこの世界に妙な違和感を覚えた。 「観測されなければ、存在しない」 黒髪陰キャのクラスメイト・蒼介が言った…

若頭ハルと私の物語。 魔法のｉらんどに掲載していた小説初作品を移植。当時のまま加筆修正していません。 編集のため少しずつの公開になります。

何不自由なく暮らしてきた雪久、しかし何か物足りない。 そんな思いを抱えて、毎日をこなしていく。 ある日友人から持ちかけられた相談から、雪久の人生はゆっくりと変化していく。 『…

高校2年の春。事故で記憶を失った“元”幼馴染・紘が、数年ぶりに俺の前に現れた。 人見知りだった昔の面影は消え、今の彼は無邪気で誰にでも好かれる“無自覚のたらし”。 そして――彼は…