「『忘れられないの』」を含む小説

初めて短歌を書く。僕は短歌というものは堅苦しく、選ばれた人にしか書くことのできない、そんなものを想像していた。 書いてみて分かった。もっと自由できれいで爆発している。短歌って僕の…

花の記憶シリーズ第F弾(全26作品) 母を知らずに育った音大生・廿楽奏音（つづら・かのん）は、ある演奏番組の収録で、自分の演奏に興味を示した資産家・志摩晃一と出会う。 彼は奏音…

古の神々と人とが寄り添い、神託と祈りの中で共に暮らしていた神霊の国・日紫。 この国では、山河に宿る神々の力が国土を守り、王権を支え、民に豊穣と平穏をもたらしていた。 しかし時代の…

人の尊厳を見失いやすい現代、そしてこれからの未来に。 もはや救う対象となる人もいない寒村の忘れられた地蔵が、自らの力を返上し、 限られた命で人々に名前という尊厳を思い出させる旅路…

夏の終わり、 髪を染めた都会の少女・詩織と、泳げない地元の少女・澪。 ほんの少しの意地悪と、すれ違う想い。 だけど、その時間は確かに、世界のどこにもない”記念日”だった。 「…

十年前、世界は滅びかけていた。 だが、現れた一人の英雄によって「厄災」は討たれ、平和がもたらされた。 ──けれど今、世界には再び“異変”が芽吹きはじめている。 忘れられたもの…

どこかの路地裏、誰にも気づかれず揺れていた小さな命――『ぼうふらの空』は、蚊の幼虫のひと夏を、儚くも力強い視点で描いた連作短歌です。 日陰の水溜りに生まれ、はばたく空を夢見て生…

十ノ物語について、ついに語るときが来ました。 忘れられた物語の招待状の差し出し人はこんなことを考えていました。 冗談混じりに真剣に、お話しいたします。 これはまさに十ノ物語・拡…

医者も薬も存在しない世界。 森に住む青年レインは、癒しの“青魔法”を操る異端の一族「ソワン族」の末裔だった。 ある日、毒蛇に噛まれた少女リーナを救ったことで、彼の静かな日々は大…

高校二年の海斗は、放課後の美術室で出会った同級生・ひかりに恋をした。しかし彼女は「強い感情で眠ると、その日の大切な記憶が一つ消える」という残酷な病を患っていた 。 嬉しいほど、…

都会での疲れ果て、心身ともに限界を迎えていた写真家の優希は、あてもなく旅に出る。彼が辿り着いたのは、奇妙な噂が囁かれる、とある寂れた漁村だった。好奇心に導かれ、その禁じられた場所…

　人の意識がデジタル化される未来。 　忘れられた記憶は「完全消去」される運命にある──。 　記憶配達人ハルの仕事は、消えゆく魂たちの「最後の言葉」を、その人の大切な誰かに届ける…

２０２２年６月２０日。東京都新宿区、夜のワンルームで、僕は君と出会った。 ――『平田』、本名『高篠ミヤビ』。 ネットで知り合っただけの彼女と、徹夜でゲームをして、くだらない…

記録することは、記憶に抗うこと。 都内の出版社に勤める若き編集者・白崎いろは。 冷静沈着で理路整然、だが情に厚く“人の声”を記録することに執念を燃やす彼女は、担当作家であるポン…

人間界は、神々が去って久しい。だが人々は“信仰アルゴリズム”によって運命を最適化し続けていた。 神の言葉は失われたが、AIたちが遺された神託を解析し、それを“確率化された神意”と…

５時間目の理科は、３階の東理科室で行われる。中学３年生の私は、いつも昼休みを早く切り上げて、東理科室に向かう。授業が始まる前の、ふたりきりの時間。一生忘れられない、初めての経験。

誰かのために祈ったことがある。 それが届くと信じていたこともある。 舞台は、終わらない夢の中。 笑う者も、嘆く者も、すべてが幻。 手を伸ばせば、きっと触れられると思っていた。…

豊かな自然に囲まれた、地方の小さな神社「水杜（みもり）神社」。その神社の跡取り娘で、女子高生巫女の**宮森 詩乃（みやもり しの）**は、真面目で責任感が強いしっかり者…のはずが…

“好き”って言えなくても、青春は君で溢れていた。 名前で呼び合っていた日も、すれ違った日も、どれも忘れられない。 高校で再会した、幼なじみのふたり。 隣の席で笑い合った時間が、…

[恋するだけでは、終われない / シリーズ第三作 ] 先輩たちとの偶然、いや『事件』みたいな出会いからはじまった青春の日々は。 体育祭と文化祭という、高校生活のビッグイベントを…