「だとしても和風」を含む小説

　人間と妖の特性をあわせ持つ『あやし者』という種族が生きる世界。極東の島国である日ノ元においては、絵戸幕府の方針により「あやし者とはことごとく悪である」と法で定められていた。 …

　現世と幽世、そのはざまに裂け目が生じた。 妖が現れ、神が生まれ、仙の道が開かれる――。 　修仙者の〈正雪(まさゆき)〉は、 熊野の海で“天女ノ涙”と呼ばれる霊玉を拾ったことか…

夢もうつつも入り混じった幻想掌編集です。和風・東洋風のお話が多いです。

かつて癪気に飲み込まれた東の地は、一部の時間をそぎ落として生き延びた。 時間の骸が積もるその果てに現れたのは、異界――骸日ノ餞。 そこは、選ばれなかった過去たちの吹き溜まり。…

妖の花嫁になる運命だった少女・紬は、 浄化の力を持たない“欠陥品”として見放された。 けれど、狼の妖・槐はなぜか彼女を側に置き、甘い飴を与え続ける。 時に父のように、時に恋人…

祥子は、没落した宮家の姫君。皇女としての役割を求められることもなく、貧しくとも気ままな毎日を送っている。 ある日、しぶしぶ出席した歌会で、安岐の国の国守・久瀬喬任《くぜのたかとう…

漫画家の夢を諦め、毎日上司に怒鳴られる日々を送る、入社３年目のＯＬ・梅宮 璃花。 ある夜、１８階のオフィスから『うっかり』落ちて目を覚ますと、そこは文化１４年の大坂だった… 璃…

昭和から続く田舎町の因習「八幡の薪」。 それは、毎年盂蘭盆の夜に必ず誰かが消える“神隠し”の風習だった。 東京で暮らしていた荒川静馬は、父の死をきっかけに帰郷する。だが、町には…

平安時代の日本で魑魅魍魎を束ねた最強の鬼「酒呑童子」。 大江山で討伐されたその鬼は、死の間際「人に生まれ変わりたい」と願った。 目が覚めた彼が見たのは、平安京とは全く異なる世界…

この物語は「暗さ」から始まります。 けれど、十話に至る頃、あなたはきっと登場人物たちの掛け合いに微笑んでいるでしょう。 「無名の美学」、これはまさに静かに燃える日本人の魂の象徴…

この物語は、我々が暮らしている世界に存在している、もう一つの地球での物語。 主人公大山大和は学校の帰り、いじめっ子に出会ってしまい、逃げ出す。家と家の間を抜けると、そこには見たこ…

時は平安。 1人の美しい姫君が入内をされ、帝の寵愛を受けられました。 ※注意事項※ ・本作品は源氏物語を参考にしています。 ・有り得ない展開になったとしても受け入れてください…

舞台は戦乱の世。「僕」は語る、あの人との思い出を二十四節気と共に。 人と、人ではないモノと、戦と、疑心暗鬼と、色とりどりの季節の移りを あなたとともに迎えよう。 =======…

　どうやら自分は将来、義姉を不幸に陥れるらしい。 　未来を予見する能力によって繁栄してきた朝霧家だが、時が経つにつれ次第にただの迷信だと忘れ去られるように。 　しかし、母の…

猫アレルギー持ちの少女、春風美空(はるかぜみく)17歳は猫に触れたかった。 ペットショップ兼猫カフェの店主 相原茜は、ある日いつも店の前に現れる美空を喫茶店に誘い、猫と触れあえる…

この国のある山には、神が宿っており、立派な桜の大樹がある頂上へ行ってそこで願えば、どんな願いも叶えてくれるという“夢噂”がある。 その山の麓には小さな村があり、そこに住む少年もま…

星を詠む力を持つ巫女「織理」が鬼神様に出会う。 毎週水曜日と土曜日の週２投稿！

人と魔の間に生まれた少年エンマ。 育ての親を魔物の手にかけられ、行き場を失った彼は、 霊術を使う少女、蓮花の導きで、花霞の里へ。 魔物への復讐を誓い、修行に励むことに。 そこで出…

戦後の昭和30年代前半。 上総のとある里山で、倉橋あかりは狐の少年 九摩留とともに田の神山の神である加加姫のお世話をしながら穏やかな日々を過ごしていた。 茅葺屋根の素朴な屋敷での…

――季節外れの蛍は、人を“呼ぶ”。 あなたは、その呼び声から逃げられますか。 10年ぶりに帰った祖母の家。 遺品の中から見つかった、一枚の古い写真。 そこに映っていたのは――“…