概要
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- ★★★ Excellent!!!静かに心を侵食する「血の花」が描く依存と狂気のホラー短編 🌑🩸
もも先生の『血の花』は、血液を糧として咲く植物と、それに魅入られた人間の関係を描いた、静かで不気味な短編ホラーです 🌹🩸
水不足に強い植物を求める研究の果てに生まれた「血の花」は、やがて研究対象という枠を超え、先輩と語り手である「僕」の心を深く侵食していきます 🧪🌑
本作の魅力は、まずその語り口の淡々とした静けさにあります 😶🌫️
先輩が自らの血を与え続け、やせ細りながらも花を手放そうとしない姿は、依存や共依存のメタファーとしても非常に印象的です 🌹🪫
それは決して大げさな言葉で語られず、日常の延長線上のような温度で描かれるからこそ、現実にもあり得る怖さとして迫ってきます 😨🕯️
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!血の花が象徴するものは
水ではなく血を吸って育つ新種の花。
その生みの親である先輩は、花咲く日を夢見ながら自ら血を与え献身的に世話をするなかで次第に衰弱していきます。
そして血の花を先輩から受け継いだ主人公もまた、その花を咲かせるため自らの手のひらに包丁の刃をあてるのでした。
◇
人を魅了し血を得ようとする花。
そこに悪意はなく、あるのはただ生きるため繁殖するための本能です。
だからこそぼくはこの花に恐ろしさを感じるのでしょうね。
人は意思疎通のできない相手に恐れを抱きます。
疎通するべき意思自体がないとなればなおさらです。
そしてもうひとつ。
先輩と血の花の関係に既視感を覚えるのは、これがそのまま共依…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人の血を求めるその植物は、どんな花を咲かせるのだろうか──。
研究過程で偶然生まれたその植物を育てるのに、水は不要であった。
ただ、人の血が必要だった。
成長に従い、求める血は次第に増え、血を与えながら花が咲くのを心待ちにする先輩の顔色は、どんどん青白くなっていく。
研究者故だろうか、先輩の花を咲かせたいと思う気持ちは、尋常ではない。
作品の文体は淡々としているが、描かれるのは植物に魅入られたものの狂気のように思う。
<自分の血で、花を咲かせたい>と、この植物が思わせているのではないだろうか。
一度この世に誕生してしまったその植物はきっと、これからも“養分”を求め続けるのだろう。 - ★★★ Excellent!!!ホラー好きにとっては唆られる最初の1行目。そしてラスト
小説の1文目が重要だということは、皆様分かっているでしょう。だから、そこに作者様のセンスが出ると思うのです。
この短編の1行目、私の好みにドンピシャでした。
そして、内容も。
怪談系YouTubeを成功させている芸人、好井まさおさんが作った怪談のジャンルで「ナニソレ」というものがあります。
聞き終わってから、これは何だったんだろう? と違和感と共に考察したくなる魅力がある話を指すそうです。
この短編は、その「ナニソレ」に属していると思います。
読み終わってからも、脳の片隅に残る不思議なお話。
考察が好きな方には特にオススメです!