自分もアレルギー持ちだったので体が痒くなるのわかります。臨場感がある作品でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(142文字)
冒頭から奇天烈な文体と、アトピー性皮膚炎の強烈な苦しみの描写。しまいには「母を食べる」というホラーめいた比喩にまで踏み込み、不意打ちのように神経を掴まれてぞわりとします。 でも、骨格はきわめて真っ当で、テーマは「親からの独立/超克」。過激さの奥に、まっすぐな成長譚があります。 強い表現に揺さぶられつつ、その芯を味わってください。おすすめです。
母を食べた。この解釈、物語中の表現がすごく鋭く強烈です。野暮になるので皆まで言わないのですが、清々しいほどの1択を選ぶ葛藤ですよ。他に行動のしようがないのに、なぜこれほど苦しみ怯えて選ばないといけないのか。でもそれもまた愛情なのだと思います。この葛藤は愛です。だから受け止められるかどうかだと思います。親子に限らずあらゆる関係の中で意にそぐわぬ選択を前に、葛藤を大切にできるのかだと感じました。そんなふうに生きなきゃなと思います。おすすめです。
タイトルの『身を掻き灰の中に坐りぬ』は、旧約聖書の『ヨブ記』の一節でしょうか。理不尽な苦痛を与えられた者の象徴。「なにゆえわたしは胎から出て死ななかったのか」という独白が、ただの闘病記を超え、肉体という牢獄に閉じ込められた魂の叫びとして響きました。痛みと痒みで半狂乱になった直後、淡々と夕飯の献立が描写されるラストの対比が、この地獄が「日常」であることを残酷に突きつけていて秀逸でした。
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